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COLUMN

役員コラム

日々雑感

ITプロフェッショナルの倫理

鍵川 毅

2016.07.12

桜の季節も瞬く間に終わり、個人的にはアイスコーヒーの美味しい季節となり、本年度新人社員達の研修も佳境を迎えています。(コラム出筆2016年6月時点)
思えば変則的であった昨年の就職活動期間を経た新人達も新緑の如く成長しその大きな葉に今まで受けたことの無い日差しを受け、エンジニアとしての礎を蓄えているでしょう。

一方、来年新卒の採用活動も並行して行なわれており、昨年同様売り手市場傾向が続くIT業界では出足の早い就職活動生の緊張した佇まいに自身の初心を思い出し、心の引き締まる思いを新たにしているところです。

 

話は変わりますが、最近、大手ITベンダー7社の2015年度決算が公表されました。
SI関連事業の業績は過去最高売上を計上するなど、総じて好調のようですが、一方、中堅ITベンダーは、前年並みに留まるところが多いように思います。
この様にIT業界は伸びる一部大手と、現状に留まる大多数中堅という二極分化した業界構造の様相を見せ始めていると感じています。

 

IT技術動向に目を移すと、ビックデータや企業内蓄積データへのデータアクセスAPIを広く公開し、第三者がアプリケーション作成の際に上記公開APIを活用する新たなアプリケーション階層モデルが注目されています。
上記アプリケーションモデルは既存IT業界の枠を飛び越え、新ビジネスを創生する可能性を秘めた技術トレンドとして期待されています。

昨今のIT技術トレンドを俯瞰すると大きな流れが根底にある事を再認識させられます。
それは「所有から利用に」「製造から組合せに」と移行する動きが止まる事は無いという事実です。

 この流れを如何にして乗りきるか。またこの流れの中、如何にして生き残るか。

ビジネスモデルの変革が強く求められています。

また、我々IT技術者は、IT技術トレンドをいち早く理解・習得して、有用な顧客提案に繋げていかなければなりません。それは、IT技術のプロフェッショナルとして、当然の社会的責務であり存在意義でもあります。このように変化する環境に柳のようなしなやかさを
持って対応する為には、その土台がしっかりと大地に根付いている必要があると考えています。

 ではその土台とは何か?  

私は、その土台とはプロフェッショナルとしての倫理であると確信しています。
ここで言う倫理という言葉のイメージは、コンプライアンスでは無くフィロソフィーです。
古代ギリシャの医学者ヒポクラテスは医者が守るべき倫理として「ヒポクラテスの誓い」を残しています。

最後にその一文を紹介して記念すべき当コラム第一回目を締め括りたいと思います。

 

自身の能力と判断に従って、
患者に利すると思う治療法を選択し、害と知る治療法を決して選択しない。

著者プロフィール

鍵川 毅

エグゼクティブフェロー

都市銀行の勘定系システムから大手電気機器製造業の製販システムなど、多岐に渡る業種のシステム開発を担当してきました。現在は、エグゼクティブフェローとして、主に大規模プロジェクトの統合マネージメント・品質管理マネージメントを担当し、SCMソリューションに関する研究活動に従事しております。



※ 所属部署・役職は2021年3月以前のものです

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