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COLUMN

役員コラム

日々雑感

システムアグリゲーターを目指して

鍵川 毅

2016.11.22

現在のIT業界を俯瞰すると市場は依然として、全体としては堅調に拡大していますが、内容は徐々に変化していると感じています。インターネットとモバイルの普及に伴いITシステムは、もはや社会インフラといえるでしょう。当社はそのような変化の中にあって、ユーザー系SIerという経営的に安定したバックボーンを持つ関係上、ややもするとこの変化への対応が後手に廻る危険があると危惧しています。

当社はこれまで、オンプレミス型システムを各社仕様に構築し運用することをビジネスの中心とし、大規模な案件にも対応してきました。このようなビジネス形態における成功要因は組織的な対応力です。社内は勿論の事、社外のリソースも含めてプロジェクトの目標に向かって一致団結するという言わば、農耕型ビジネスは当社の得意とするところであり、当社のDNAであると感じています。

上記で示した農耕型ビジネスに対比するビジネススタイルとして狩猟型ビジネスがあります。農耕型は、定住地に計画的に種を撒き収穫を得るというビジネス形態で、安定と継続性を重視するのに対して、狩猟型は大型案件獲得・新規顧客開拓を重視します。
今後の目指すべきビジネススタイルはどちらなのか?
IT業界は前述した通り絶え間なく変化しています。そういった観点から定住地はもはや存在しないと考えます。だからといって、単純に狩猟型を目指すのではなく、今後は新規開拓しつつ種を蒔くという開拓者型ビジネスが、SIerの目指すべきビジネススタイルになると考えています。

では、具体的にどのような変革をしていくのか?
まず、IT業界の変化への対応という観点から、当社はクラウドとセキュリティを武器としたシステムアグリゲーターになるという選択肢があると個人的には考えています。アグリゲーターとは、直訳すると「集める人」という意味です。例えば電力業界ではユーザーと発電者の間に立ち、ユーザーニーズを集めて大規模発電者から電気を買い取る業者を指してアグリゲーターと呼びます。システム領域では、クラウドやソフトウエアのサービス化がますます進展する中、このサービス提供者とユーザーの間を取り持つアグリゲーターの必要性は高まることでしょう。

著者プロフィール

鍵川 毅

エグゼクティブフェロー

都市銀行の勘定系システムから大手電気機器製造業の製販システムなど、多岐に渡る業種のシステム開発を担当してきました。現在は、エグゼクティブフェローとして、主に大規模プロジェクトの統合マネージメント・品質管理マネージメントを担当し、SCMソリューションに関する研究活動に従事しております。



※ 所属部署・役職は2021年3月以前のものです

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