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COLUMN

役員コラム

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IT業界におけるマネジメントスタイルの変革

鍵川 毅

2017.03.23

春の息吹と共に、花粉症の私にとって少し憂鬱な季節となりました。

年度末を控えたこの時期は、さまざまな節目でもあるかと思います。
節目とは、物事に区切りを付けそこに至る過程を振り返り、未来に思いを馳せるには絶好の機会といえるでしょう。

我々が所属するIT業界の未来像とは、どのような姿になるのか・・

そもそも我々の社会はIT革命と呼ばれる変革を経て、どのような社会へと発展するのか?
AIやIoTが導く社会は、今までの社会とはその根本的価値観が異なるモノとなるでしょう。
先日、ザ・プリンスパークタワー東京(東京都港区)にて行われたCloud Days TOKYO 2017にてさまざまなセミナーを拝聴しましたが、上記変革が始まっているという強い確信を得る機会となりました。

話は変わりますが、内閣府男女共同参画局の第4次男女共同参画基本計画の基本方針の中では「あらゆる分野において女性の参画が拡大することは、社会の多様性と活力を高め我が国経済が力強く発展していく観点や男女間の実質的な機会の平等を担保する観点から極めて重要であることから、女性活躍推進法の着実な施行とともに、更に踏み込んだポジティブ・アクションの実行等を通じた積極的な女性採用・登用のための取組や、将来指導的地位へ成長していく人材の層を厚くするための取組を進める」と明記されています。

IT業界全般に比べると当社では採用面に関して、かなり以前より積極的に女性を採用してきた経緯がありますが、登用や指導的地位への成長に関しては、満足できる状況では無いと感じています。
勿論さまざまな要因がそこには存在するのでしょうが、最も大きな阻害要因はIT業界にて求められるマネジメントスタイルがいわゆる男性中心型労働慣行に偏っていた事ではないかと私は考えています。ここで過去形を用いたのは、以前のIT業界ではその傾向が強く、またある種の合理性が存在していたが、現在ではその優位性は損なわれつつあると認識しているためです。

IT業界の歴史を大まかに振り返ると、労働集約型産業から知識集約型産業に変革しつつあります。
労働集約産業時代には、いわゆる男性型マネジメントスタイルが合理的な意味を保持していました。
男性型とは指示命令型と同義であり、管理者からの指示命令の下に組織パフォーマンスを向上させるマネジメントスタイルの事です。
しかしながら、知識集約型産業時代では、知的生産性の向上に対して有効な手段は指示命令ではなく、傾聴による同意と意識共有であると言われています。
この傾聴と意識共有によるマネジメントスタイルは共創型リーダーシップモデルと言われ、近年注目されているマネジメントスタイルです。

このような業界の変革期に、企業もマネジメントスタイルの変革をいち早く実施し、競争力を身につけて行かなければならないと強く感じる2016年度末の節目です。

著者プロフィール

鍵川 毅

エグゼクティブフェロー

都市銀行の勘定系システムから大手電気機器製造業の製販システムなど、多岐に渡る業種のシステム開発を担当してきました。現在は、エグゼクティブフェローとして、主に大規模プロジェクトの統合マネージメント・品質管理マネージメントを担当し、SCMソリューションに関する研究活動に従事しております。



※ 所属部署・役職は2021年3月以前のものです

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