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Oracle OpenWorld2017へ参加しました。

柳原 寛

2017.10.16

2017/10/1~2017/10/5にサンフランシスコのモスコーニセンターで開催されたOracle OpenWorld2017に参加しましたので、今回は私なりの目線でオープンワールドをレポートしたいと思います。

今回のOpenWorldの参加人数は6万人。日本からは400名近い方が参加されたとのことでした。私がOpenWorldに参加するのは今回が初めてです。日本オラクル主催のツアーに参加されている方は市内中心部の高級ホテルに宿泊されていましたが、私は直接申し込んだため自分で中心部から少し離れた安めのホテルを予約して臨みました。といってもサンフランシスコはここ数年で地価急騰し、またカンファレンス開催時期はどこのホテルも満室なので、安いといっても日本と比べれば非常に高いです。ちなみにオープンワールド自体の参加料は約$2,000でした。

 

1日の夜にいよいよKeyNoteセッションが開催され、ご存じラリー・エリソン会長の講演がありました。初めて見る生ラリー会長。見た目は至って普通のおじさんです。でも例え話が自家用機の自動運転の話であったりと、普通じゃないリッチなおじさんでした。

そしてラリー会長が一番伝えたかった事は例え話にも上がった、自律型データベース(AutonomousDatabase)OracleDatabase18cの発表です。「あれ?OracleDatabaseって12が最新じゃなかったかな?しばらく開発現場を離れている間にいつの間に?」と思ったのですが、12の次が18で正解みたいです。2018年という意味のようです。

正確に言うと、自律型データベースとマネージメントセキュリティクラウドサービスによって、バッチの自動適用や自動チューニング、さらに不正使用の検出など、すべてデータベースを止めることなく自動運転で行うというものです。これらはAI技術に基づいているものだそうです。またこれらの話はすべてOracle Cloudを前提とした話になっています。(あとで聞くとオンプレミスでも可能ということでしたが、セッション中はオンプレミスの話はありませんでした。)ラリー会長のデモではOracle Cloud対OracleDB on AWSの実証実験もありました。Oracle Cloudは優秀なハードウェア、最新のデータベースを使っているのでAmazon Web Services (AWS)に比べて非常に処理性能が早く、8倍または16倍のコスト削減につながるというデモでした。

Oracleはこれまで正直、ハードウェアの会社なのかデータベースの会社なのか、はたまたアプリケーションの会社なのか方向性が見えにくいところがありましたが、完全にクラウド事業者になったという印象を私は持ちました。

そしてこれまでAWSやMicrosoft Azureに比べて遅れていたアプリケーション基盤機能についても発表がありました。それはAIプラットフォーム、IoTプラットフォーム、ブロックチェーンプラットフォームなどです。

これらによりOracleがクラウド事業者としてこれから強烈に巻き返しを図ってくるのではないかと感じました。

 

このコラムは会計にフォーカスしていますので、ERPの話にも少し触れておきたいと思います。Oracleが力を入れているのはOracle Cloud上で動作するERP CloudそしてNetSuiteです。しかし、私たちがこれまで多くのプロジェクトで関わってきたOracle E-Business Suite(Oracle EBS)はどうなってしまうのでしょうか?私は今回それを調査してきました。

意外にもOracle EBS関連のセッションはたくさん用意されていました。それだけEBSユーザーが多いのでしょう。

EBS関連のポイントは2つです。

1つ目は「R12.Xバージョンは少なくとも2030年まで保証される」ということです。「R13は出さないけどもEBSユーザーを切り捨てたりしないよ」ということだと理解しました。
2つ目は「Oracle Cloudと連携することによりEBSでもAIの機能などが使えるようになる」ということです。具体的にはリコメンドやチャットボットとの連携などの機能です。これらの機能はOracle CloudのAIプラットフォームに紐づいているのでOracle Cloud上でEBSを動作させる必要があるようです。EBSをERP Cloudへ移行するのはなかなか大変なことですが、Oracle Cloud上にEBSのまま移行するというのは現実解としての1つの選択肢だと感じました。

OpenWorldの最後のクライマックスは水曜日の夜AT&Tパークで開催されたコンサートです。有名な歌手のようで、皆さん(日本人以外)はノリノリで一緒に歌っていましたが、日本のおじさんには誰だかわからないです。すみません。でもそれなりに楽しめました。

 

今回のコラムに掲載した内容は私の拙い英語で聞いた情報も含まれていますので、正確でないといころもあるかもしれません。正確な情報を知りたい方はオラクル社に確認をお願いいたします。

 

 

  • ※ Amazon Web Services、AWSは、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の登録商標又は商標です。
  • ※ Microsoft Azureは、米国Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標又は商標です。
  • ※ Oracle、Oracle E-Business Suite(Oracle EBS)は、米国オラクル・コーポレーション及びその子会社、関連会社の米国及びその他の国における登録商標又は商標です。

著者プロフィール

柳原 寛

法人事業本部 ビジネスソリューション第2部 部長

ERP会計コンサルタントとして、電力、通信、不動産、金融など多岐に渡るお客様へERPを導入してきました。現在はERP部門のマネージャとして、OracleEBS、SAP、Biz∫(ビズインテグラル)といったERPと様々な周辺システムを組み合わせた会計トータルソリューションをお客様へ提供しております。



※ 所属部署・役職は2021年3月以前のものです

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