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COLUMN

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人材管理

非定型業務の成熟度別の業務改善について

下里 祐司

2014.06.30

前回は、定型業務の成熟度別コア業務と業務改善策について、ご紹介致しました。

今回は、前回までの続きとして非定型業務も同様の考え方ができるようになってきたことと、業務成熟度別のコア業務と有効な業務改善策について、お話しをさせていただきます。


企業統制の高度化やシステムの進化に伴い、少し前までは難しかった意思決定や育成系の非定型業務についても体系だった管理や、見える化、システム化が可能となってきました。

最近の潮流も踏まえながら、非定型業務の成熟度や業務改善について、下記にご提案致します。


【非定型業務】 : 人材育成、人材管理、制度設計等

 

○成熟度 低

必要な人材情報は収集されているが、紙や電子ファイル等、異なる媒体で異なる場所や人に管理され、情報が散在している状態。
データの更新状態(最新かどうか)も管理している人それぞれ。

この場合のコア業務は、総合人材情報管理になると考えられます。この状況を一歩前に推し進める為には、下記の業務改善が有効と考えます。

《業務改善策》
散在している情報の洗出し(見える化)
⇒ 情報の集約
⇒ 同一媒体での一括管理
⇒ データ更新ルールの策定

○成熟度 中

人材情報は集約され、最新状態で管理されている状態。
所在も周知されており活用可能な状態であるが、システム的な管理はされていない。

この場合のコア業務は、統合人材DBの構築とシステム化になります。更に成熟度を上げるには、次の改善策が有効と考えます。

《業務改善策》
必要データの取捨選択
⇒ 人材管理システムの導入
⇒ 管理情報の定型化
⇒ 人材情報データベースの構築
⇒ システム運用ルールの策定

○成熟度 高

人材情報はシステムにより管理され、常にフレッシュな状態で保持されている状態。システム化されている為、統一された書式・コード・ルールで管理されている。

コア業務は、意思決定支援機能やタレントマネジメントになります。高度に精緻化され蓄積された統合人材DBの情報を活用し、意思決定支援や人材育成支援が可能なデータ出力機能やシミュレーション機能を備える事で更なる人事戦略の推進が期待できます。

《業務改善策》
人材情報の活用方法検討
⇒ 必要情報の抽出や分析が可能か確認
⇒多角的なデータ出力・シミュレーション機能の実装
⇒ 意思決定支援や人材育成計画への活用

 

給与業務とは異なり、必要な人材情報が収集され・取捨選択され・管理されていることを前提条件に、計算等で何かを生み出すのではなく、収集した情報をどの様に活用するかがポイントとなります。管理された情報を、企業の人材戦略上の意思決定に活用可能なところまで昇華させることで、人材マネジメントが可能となります。意志を持って収集し、整理され、最新の状態に管理された情報が、使用者の思いにより自由に様々な切り口で抽出できる状態になることで、人事戦略上の意思決定をバックアップする非常に有効なツールへと進化します。

システムの高度化は、多角的なデータ抽出に加え、統合的な研修管理やタレントマネジメント、ヒューマンアセスメント、人材・人員シミュレーションの機能を有する方向で進んでいます。

" 企業の目指す姿を実現する為の人材ポートフォリオに対して、現在の人材構成はどの様になっているのか。 "

" 理想のポートフォリオに近づける為には、どの様な人を採用し、どの様な研修を実施し異動させることで人を育成し、どの様な報酬制度で人をモチベートするのか。 "

経営ビジョンや目標を達成する上での人材戦略を、システムが大きくサポートするようになってきました。

 

次回以降は今回ご紹介した統合的な人材管理について、活用の方法や事例をご紹介させていただきます。

今後も不定期にコラムを掲載させていただきます。
ご興味を持っていただけた方は、次回もご覧いただければと思います。

 

著者プロフィール

下里 祐司

サービス事業本部 HRS第2部 部長

人事給与、社会保険、ITと複数の視点で業務改善からシステム導入、運用構築までをワンストップでサポートします。
IT技術をバックボーンに人事部経験や社会保険労務士の知識を活かした人事給与業務の業務改善、効率化、システム化を得意としています。



※ 所属部署・役職は2021年3月以前のものです

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