CASE STUDY
ケーススタディ
経理・財務
巨大な楽天グループへ
「SAP ERP 6.0」を
ベースとした「楽天モデル」
を短期間で構築
楽天株式会社(現:楽天グループ株式会社)様
INTERVIEW
精度の高い情報収集や分析が可能に
楽天グループでは、23社のグループ企業や32の事業(導入当時)で、それぞれ異なる経理基準やシステムを採用。これらを全社統一の経理プロセスに刷新するため、「SAP ERP6.0」の導入を決め、決算業務の短縮化と内部統制に準拠した経理プロセスの確立を目指した。
決算業務の処理時間、集計管理の精度など導入への課題
「楽天モデル」と「タイムチャート」が導入成功の鍵
まず導入プロジェクト開始後の2ヶ月間で、ERP導入のためのテンプレートとなる楽天グループ独自の「楽天モデル」の構築に全力を注ぎました。SAP導入テンプレートである「リアルモデル」をベースとしながらも、楽天グループにとって今後の事業展開を円滑化させる経理プロセスには何が必要なのか? グループ各社の担当者からのヒアリングを重ねるなかであぶり出し、少しずつ経理基準やプロセス、システムの標準化を形にしてきました。
そして「楽天モデル」が完成した後には社員への導入研修を重ね、徹底して「楽天モデル」に対する正しい知識を深めることに努めました。
また今回のプロジェクトでは、限られたリソースで、しかも短期間での導入を完了させる必要がありました。これらの課題に関しては、さくら情報システムさんから「タイムチャートによるマネジメント進行スタイル」をご提案いただき、事業内容によって導入時期を2回に分け、段階的な導入方法を取り入れることにしました。
具体的にまず、第一フェーズでは6ヶ月間で楽天、楽天トラベル、楽天オークション、楽天野球団等の16社に導入。続く第二フェーズでは楽天証券や楽天KC、楽天クレジット等の7社に導入を進めました。これにより、導入の進捗管理が徹底され、短期間のうちにグループ全体への一括導入にこぎつけました。
最大のメリットは「精度の高い情報のフィードバック」
カットオーバー後、おかげさまで様々なメリットを享受できていると実感しています。
例えば決算関連業務は大幅に効率化され、月次決算が従来の30日間から20日間に、連結決算も45日間から34日間へと短縮させることができました。
さらに経理プロセスの標準化を行ったことで、精度の高い情報によってグループ各社及び各事業のパフォーマンスを容易に確認できる体制が確立しました。これにより日次や週次の業績報告、グループ内部での取引状況並びに決算数値をもとにして、事業運営や経営管理に迅速かつ適切なフィードバックが可能となりました。
今回導入したシステムは今後、楽天グループの事業規模がさらに拡大しても拡張性が高い作りになっており、楽天の将来的な視点からも非常に大きな意味を持つことになるはずです。
技術ではなく“業務”という観点から容易に理解できた
今回のプロジェクトが成功した要因には、新たに導入した「SAP ERP 6.0」の優れた機能やシステムによる共通基盤を確立できたことが挙げられます。またそれに加えさくら情報システムさんから、あらゆる面できめ細かいサポートをしていただいたことも重要なポイントです。例えば、導入に関する専門的な説明においても、決して技術論やシステムの話だけに終始するのではなく、常に「当社の業務にとってどのような影響があるのか」という我々の視点から話を進めていただいたので非常にわかりやすく、安心してプロジェクトの進行管理をお任せできました。
今回の経験を通して、当社にもERPや経理システムに関する専門知識やスキルを身につけた社員も増えました。今後もこれらの分野に精通した社員の人材教育に取り組んでいく予定です。
お客様と同じ目線でベストソリューションをご提案
今回ご紹介させていただいた、楽天株式会社様の経理プロセス再構築プロジェクトのように多業種対応や短期間ERP導入に対しても、豊富な経験と知識を有した専門スタッフにより全力でサポートできるのが、さくら情報システムならではの強みです。
さくら情報システムのERPスタッフは、システムの観点のみならず、業務の観点からお客様に合ったベストなソリューションをご提案することで、お客様とともに、同じ目線でわかりやすく、より親身な課題解決やプロジェクト作業を遂行していきます。
会計システム導入やERP導入に関するお問い合わせは、ぜひ弊社にご用命ください。
※ SAPおよび本文中に記載のSAPの製品/サービス名は、ドイツおよびその他の国におけるSAP AGの商標または登録商標です。
※ リアルモデルは、三井金属鉱業株式会社の登録商標または商標です。
取材協力
楽天株式会社(現:楽天グループ株式会社) 様
「世界一のインターネット・サービス企業」を目指し、国内最大のインターネットショピングモール「楽天市場」に代表されるEC事業や、「楽天トラベル」のトラベル事業、「楽天証券」、「楽天KC」、「楽天クレジット」等の金融事業、さらには東北楽天ゴールデンイーグルスの「楽天野球団」に至るまで幅広い事業を展開。5000万人を超える楽天会員に様々なインターネット・サービスを提供することで、あらゆるサービスをインターネット上にてワンストップで利用できる”楽天経済圏”を確立している。1997年設立。2008年12月期の売上は、2,498.8億円。
- 執行役員
事業統括部
相川 真太郎様 - 経理部
経理課
課長
川島 宏司様 - EC BU
営業経理部
部長
原田 昇様
さくら情報システム 担当者
- 開発本部
開発第1部
ERPソリューション
第2グループ
グループ長
中野 雅章 - 開発本部
開発第1部
ERPソリューション
第2グループ
上席コンサルタント
篠塚 晴彦 - 営業本部
営業第1部
営業グループ
1チーム
今堀 聖史
※ 掲載内容、法人名、所属部署、肩書きなどは 取材当時のものです。
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楽天株式会社は、「楽天市場」に代表されるEC事業を中核としながらも、トラベル事業や金融事業など急速に事業領域を拡大させ、設立からわずか10年でグループ企業は23社、手がける事業は32種に及ぶ巨大グループへと成長を遂げました。
しかしその一方、経理プロセスという観点から組織を見てみると、グループ内でのシステムやルールの標準化がなされていなかったため、決算業務の処理に時間がかかり、集計管理の精度にもばらつきが生じるなどの課題も抱えていました。
そこで、これらの課題を解決するために楽天株式会社は、楽天グループ全体の経理プロセスを抜本的に見直し、今後のさらなる事業拡大や内部統制への対応も視野に入れた「SAP ERP 6.0」を導入、グループの経理プロセスを刷新することを決めました。
そして今回、ERP導入に関する豊富な経験と実績を持つさくら情報システムさんに依頼させていただいたのです。