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COLUMN

BizTechコラム

ITアーキテクト育成

「ITアーキテクト体験ひろば」活動紹介 その6

松澤 文明

2017.03.07

前回のコラムでは、要件定義後の基本設計フェーズで行う、システムアーキテクチャの設計や評価についてご紹介しました。
今回は、システムアーキテクチャ設計の後に行う、インフラアーキテクチャ設計やアプリケーションアーキテクチャ設計、さらにアーキテクチャ検証に関する活動内容をお伝えします。

■ 第16回 基本設計(第4回)(インフラ/アプリケーションアーキテクチャ設計)

活動前半では、インフラアーキテクチャ設計について学びました。インフラアーキテクチャ設計では、前回の活動でご紹介したシステムアーキテクチャ設計やATAM(※1)の結果をインプットとしてインフラ要件を再構成し、インフラアーキテクチャ設計書に記述します。参加者はインフラアーキテクチャ設計における次の3つのポイントを学習しました。
(1)現状のインフラ構成を把握し制約を抽出する
(2)ステークホルダ(顧客、アプリケーション開発者、運用担当者、など)と連携し要求を引き出す
(3)最新のITトレンドにアンテナを張り続ける

さらに、活動後半ではアプリケーションアーキテクチャ設計について学びました。アプリケーションアーキテクチャ設計では、アプリケーションの機能をどのように分類し、どこにどういった責務(=機能)を配置するかの方針を決定します。
ITアーキテクトとしては、パターンカタログや方法論の知識を身につけ「アーキテクトの引き出し」を増やしておくことが重要となります。参加者はパターンカタログ(※2)と方法論(※3)の具体例の説明を受け、その知識を元に演習でソフトウェア構成図の作成にチャレンジしました。

■ 第17回 基本設計(第5回)(アーキテクチャ検証、検証項目のブラッシュアップ)

基本設計の最終回となる第5回では、ここまで策定したアーキテクチャがシステム要件を満たしていることを確認するアーキテクチャ検証について学びました。参加者はアーキテクチャ検証の具体的なステップとして「検証環境の調達」「検証項目の選定」「検証シナリオの作成」について、例を交えた説明をそれぞれ受けました。
また、活動の後半では演習を通してアーキテクチャ検証計画を実際に作成してみることで、検証項目やテスト内容の具体的なイメージを掴みました。

今回は第16回と第17回の活動をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

前回~今回にかけてご紹介したアーキテクチャ設計は、ITアーキテクト体験ひろばで計5回にわたって行われました。これは活動全体の1/4の割合を占めており、ITアーキテクトの業務の中でアーキテクチャ設計がいかに重要かを表しているといえます。
説明される用語や知識も多岐にわたり、参加者にとっては初めて聞く内容も多く含まれていたと思いますが、講義と演習を繰り返すことで少しずつ理解を深めていったように見えました。参加者がここで得た知識を実業務で活かしてくれることを期待しています。

 

  • ※1 Architecture Trade-off Analysis Method:システムアーキテクチャ評価手法
  • ※2 EIP(Enterprise Integration Patterns)、PoEAA(Patterns of Enterprise Application Architecture)、デザインパターン
  • ※3 DDD Domain-Driven Design:ドメイン駆動設計

  • AWSは、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の登録商標又は商標です。

著者プロフィール

松澤 文明

技術開発部

ITアーキテクトとして、ソリューションを企画し、社内のみならず社外のお客様へ提供しています。金融系企業などの基幹システム構築やパッケージ製品及び当社独自のフレームワーク作成(PHP)、モバイル開発の標準化、金融系企業などの基幹システム構築経験をベーススキルに、モバイルシステムや企業全体を守るためのセキュリティなどの企画全般が得意です。また、社内外のITアーキテクト系のコミュニティへの参加や運営にも携わっています。

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