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COLUMN

BizTechコラム

ハッカソン

さくらハッカソン2019開催(インターン学生向け)(後編)

大谷 隼

2020.01.15

前回のコラムでは、学生向けにハッカソンを開催し、どのようなプロセスを踏んでプロダクト開発を進めていったのか、その工程について紹介しました。
今回のコラムでは、学生たちがどのようなプロダクトを開発したのか、「3.成果発表」のプロセスからご紹介します。

3.成果発表(コンセプト評価)

成果発表の工程では、プロトタイプのコンセプト検証と本ハッカソンの成果発表を行います。

(1)コンセプト検証(自己評価)
チームメンバーと議論して、プロトタイプがコンセプトを満たしており、利用者に価値を提供できているかを検証します。

(2)成果発表(他者評価)
制作したプロダクトの成果発表を行います。
誰にどのような価値を提供できるのか、そのビジネスモデルの説明やプロトタイプのデモを交えて当社社長・副社長を含む社員に対して成果を発表します。各チームが開発したプロダクトは以下の通りです。

チームα
▼プロダクト名 :
「Alexaお母さん」
▼特徴:
【出かける前に忘れ物を無く】したい
【朝に忙しくて時間がない人】向けの
一言で表すと、【持ち物管理サービス】です。
▼差別化要素:
これは【朝忙しい時に、他の作業をしながら音声によって持ち物を確認すること】ができ、
【メモ帳などの文字情報による持ち物管理】とは違って、
【音声によるやり取りで、予定や持ち物の管理ができる機能】が備わっています。

チームβ
▼プロダクト名 :
「モチまる」
▼特徴 :
【試験合格などの目的達成】をしたい
【スケジュールを立てることや試験等の勉強にモチベーションが上がらない人】向けの
一言で表すと、【目的達成のためのフォローアップサービス】です。
▼差別化要素:
これは【勉強量や予定の管理を自動化すること】ができ、
【課題量を日毎に平均的に設定すること】とは違って、
【やる気や予定に応じて課題の量を自動で調整する機能】が備わっています。

 
               各チームの成果発表の様子

ハッカソンの成果発表について当社社員にコメントを求めたところ、以下のような意見が挙がりました。

成果発表でのフィードバックコメント(抜粋)
・ハッカソンでの開発中の様子は、楽しみながら開発しているように見えた。楽しそうにやっていることは、エンジニアとして素質がある証拠である。
・実際の開発では、顧客のニーズに応えるものではなく、"自分たちの技術でできること"に寄せていってしまうことがある。今回のハッカソンでは、顧客のニーズからぶれずに開発することの重要さを学べたのではないか。
・チームαの制作プロダクト「Alexa お母さん」について、課題を解決するためにTile Mate(紛失防止用の音が鳴るアクセサリー型のデバイス)を購入し、2日間という限られた時間でPoCを実施できたことは、技術的に大変素晴らしかった。

今回の活動の振り返り

本ハッカソンの5日間の活動全体を振り返るために、+/Delta(プラスデルタ)のフレームワークを用いて、「できたこと」と「次に改善すること」を書き出して振り返りを実施しました。

        
            +/Delta(プラスデルタ)

最後にハッカソンを終えた学生にアンケートをとったところ、以下の意見が挙がりました。

学生アンケート(抜粋)
・チーム作業を他大学の方と経験するのは初めてで、多くのことを学ぶことができた。
・使ったことがない技術(AWS Lambda、Node.js、Alexaスキル等)ばかりだったので、使い方を習得することが難しかった。
・開催側が決めたものを作るのではなく、チームで決めたものを作っていくのは難しかったが、"もの"を作る達成感があった。

私が感じた「学生たちとの5日間活動」

私自身が今回のインターンハッカソンを通じて、学生から気づかされたことが2つありました。

1点目:振り返りが重要
ハッカソン後に聞いた多くの意見は、開発中の「振り返り」にもっと時間を割けばよかったという内容でした。
開発中は作ることに夢中になってしまいがちですが、最終的に"価値あるもの"を作るためには、試作した各機能に対して評価を行い、いかにカイゼンと軌道修正をするか振り返ることが重要であることを実感しました。

2点目:"ものづくり"を楽しむことが大切である
2日で企画、2日で試作/検証、1日で発表・振返りというスケジュールで大変でしたが、その中でも学生全体の雰囲気としては「ものづくりを楽しんでいる」印象を受けました。
このものづくりが誰のために役に立つのかを常に念頭に置いて開発をしながら、自らも積極的に楽しむことが大事だと感じました。

今回のハッカソンを通して、参加した学生たちは、顧客に価値を提供することを意識したサービス開発を疑似体験できたと思います。
また、我々ファシリテートを担当した社員としては、学生向けだけでなく、社内外でのハッカソンを定期的に開催することにより、さまざまな発見・気づきを得られるのではないかと期待しています。

今、考えているのは、
・新人教育でハッカソンを行い、サービス開発プロセスを習得させる
・社内の有志エンジニアを集い、ハッカソンを行うことで、新しいビジネスアイデアの発見をする
・他社エンジニアと公開のハッカソンを行い、今まで自社で想像もつかなかったアイデアを発掘する
といったところです。

今後、今回のようなハッカソンを開催した際には、この場を借りてご紹介しようと考えています。お楽しみに。

    ※Tile Mateは、Tile,Inc.の登録商標です。

著者プロフィール

大谷 隼

技術開発部

当社クラウドサービス案件に参画し、アプリケーション開発(Java)や、BRMSを用いたビジネスルールの管理/可視化を中心にした開発などに従事してきました。現在は、オープンイノベーションの先導役となるべく組成された技術開発部に所属しています。新サービス提供を目指して、AWSに関する技術を積極的に習得するクラウドエンジニアです。

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