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COLUMN

BizTechコラム

セキュリティ

セキュリティ探求の道(その4) ―セキュリティエキスパートになるために ―

鈴木 優一

2021.07.13

卒業報告と振り返り

本当にあっという間の2年間でした。
私、鈴木は過去のコラムで紹介したとおり、2019年4月から社会人兼「学生」として、「情報セキュリティ大学院大学(以下IISEC)[1]」に通学しておりました。2021年3月に修士課程を修了しましたので、今回はその報告と振り返りをしたいと思います。

まず1年目ですが、「講義とレポートに追われた1年」でした。
幅広く内容の濃いカリキュラムの履修により、セキュリティ領域の広さを痛感しました。
(※1年目の振り返りに関する詳細は、過去のコラムをご覧ください。)

次に2年目ですが、「柔軟な対応が求められ、終始時間に追われた1年」でした。
新型コロナウイルス感染症の影響で、講義やゼミはオンライン形式での開催となり、想定外の状況へも即座に順応する柔軟性が問われました。また、オンライン形式であることを利用し、「テレワークやリモートでの業務においては、どんなセキュリティ対策を考慮すべきか」を題材としたグループワークの実施など、このような状況だからこそ取り組めた課題からは数々の学びがありました。
とはいうものの、さまざまな利便性の高い遠隔ツールが登場する一方で、教室で一斉に話すような多人数による意見交換は特に難しく、1年目と比較すると学校の良さがなかなか得られない1年でもありました。

研究活動においては、修了要件である修士論文の執筆にあたり、指導教授との徹底的な壁打ちとも言える議論の繰り返しと、徹底した論理的思考の追求による研究ロジックの組み上げは、業務では得難い経験でした。具体的には、先行研究をベースに仮説検証を繰り返し、社会貢献を念頭に研究活動を進めることで新たな知見や視座を得ることができました。

IISECで得られたモノ~研究結果だけじゃない~

卒業報告にあたり、IISECで得られたものについて、改めて整理してみました。
私は、「エキスパートを目指す土台作り」=「IISECで築ける土台(IISECで得られたもの)」ではないかと考えました。
ここで述べた「エキスパート」について、よく似た言葉である「スペシャリスト」と比較を交えて私の見解を述べたいと思います。
「スペシャリスト」を「特定分野における一つの領域に深い知識がある専門家」であると定義すると、「エキスパート」の定義は、以下全ての素養を持つものであると考えます。
 1、特定分野における領域を全網羅している
 2、柔軟な思考力と俯瞰的な視点を有している
 3、 関係先や外部機関と適切に連携が取れる(顔が利く)
 4、1~3を活用した経験と実績が十分にあること

「スペシャリスト」から「エキスパート」へ至るには、上記のような素養が必要であり、特に2や3を養うことは業務や研修、セミナーだけでは非常に難しく、これらを土台にした基礎作りが可能となる環境=IISECであったと感じております。

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最後に

時に学術的な研究はビジネス目線で見ると、少なからず違和感を感じることや、理想論のように聞こえるかもしれません。しかし、日々の業務に従事するだけでは、得ることのできない最先端の情報や知見が存在することも事実です。
不確実性の高い現代においては、それら学術分野の情報や知見を積極的に取り入れることが重要であり、それと同時にビジネスとの認識の違いを汲み取り、的確な伝達と調整を行う人材が必要であると考えます。そのような人材を育てる1つの選択肢として、IISECのような環境での研究活動は有効な手段ではないでしょうか。
そして、継続した伝達と調整は、経験や実績につながり、ゆくゆくはエキスパート人材の誕生に至ると私は考えます。

[1] 情報セキュリティ大学院大学 セキュリティの「技術」と「社会システム」を統合的に学び、深い専門知識と実務者能力の獲得を目指す情報セキュリティ専門の大学院大学。 https://www.iisec.ac.jp/

著者プロフィール

鈴木 優一

技術開発部

これまでシステムの生命線である基盤(インフラ)領域を担当するインフラエンジニアとして、当社データセンターを利用されるさまざまなお客様のシステムの安定稼働に貢献してきました。
現在は、オープンイノベーションを推進する技術開発部に所属し、情報セキュリティ大学院大学(2021年3月卒)で研究した「クラウドセキュリティ」をテーマに、日々高度化・巧妙化するサイバー攻撃から生活者や企業を守り、安全・安心を届けるべく、業務に従事しています。


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