CASE STUDY
ケーススタディ
BPO
業務の見える化により
生命保険事務センターの
生産性向上を実現!
三井生命保険株式会社(現:大樹生命保険株式会社)様
INTERVIEW
業務効率化とサービス高品質化を両立させ、 同時に現場のマネジメント力が向上
三井生命の保険契約事務全般を担う事務センターでは、属人化や業務の継承問題を解決するため「業務の見える化」に着手した。パートナーに選ばれたのは、保険業務に精通し可視化の実績も豊富なオージス総研グループ。
作業手順の統一化・体系化と改善活動により、事務処理時間や残業時間の短縮、業務効率化の実現と同時にサービス品質の向上を実現。さらに現場のマネジメント力が格段に向上するなど大きな効果を発揮している。
「事務センターBPR計画」の中核として業務の
見える化を決断
藤村様
プロジェクトは、「見える化」と「改善」の2つのフェーズに分け、「見える化フェーズ」では以下1)を、「改善フェーズ」では以下2)~4)を実施しました。
1)「事務手順の見える化」
既存の事務手順書を体系的に記述し直す作業を行った上で、業務処理単位を設定し実績を把握する仕組みを構築。
2)「業務実績の見える化」
設定された事務処理単位毎に担当者が処理時間などを入力。
3)「業務運営状況・改善活動の見える化」
入力された実績データに基づき、課題を明確化し改善プランを策定実行。
4)「相互支援の見える化」
業務量を予測し、要員配置をタイムリーに見直すことにより組織のパフォーマンス向上。
以上「4つの見える化」を行いました。
保険業界の知識と可視化業務の実績を活かし、
オージス総研グループでプロジェクトをサポート
藤村様
先に述べた「事務手順の見える化」については、過去にも何度か社内で手順書の見直しを行いましたが、分かりづらくて利用されず陳腐化していたため、新任者でも理解できる手順書が必要でした。
そこで、複雑な保険業務に関する知識を持ち手順書整備の実績があるオージス総研グループが最適と判断し、業務パートナーとして選びました。
山本
三井生命様の保険システム開発や保守業務を20年以上お引き受けしているさくら情報システムの実績と信頼に加え、保険業界での可視化業務ノウハウを持つオージス総研との“協働”提案をご評価いただきました。
中澤
既存の手順書だけでなく、担当者の手書きノートをお借りし、ドキュメントとしてまとめていきました。
資料の追加や記載内容の追加変更のご要望など予想以上の分量になりましたが、「使っていただけるものを提供する」という目標を持って可能な限りご意向に沿うよう作業を進めました。
上野
オージス総研が可視化したドキュメントを元に設定された業務処理単位毎の実績を把握する仕組みとして「見える化システム」を開発、業務実績をモニタリングできるツールを作りました。
藤村様
当社にとってこのような大規模見える化プロジェクトは初めてだったこともあり、遂行にあたっては、パイロットチームを組成し効果を確認した上で事務センター全体に展開するなど工夫しました。
苦労した点は、現場部門の理解や協力です。
業務実績を毎日入力することは作業負荷もあるため、当初は抵抗感もありましたが、残業削減効果などをデータで地道に示すことで、現場の意識も良い方向に変わっていきました。
無事プロジェクトの目標を達成し、現在も継続的に改善活動のPDCAを回しています。
プロジェクト成功の要因は、目的の明確化、目標を定量的に示すこと、各所属長の主体的な関与の3点だと思います。
オージス総研グループには、手順書を分かりやすくまとめ直していただき、プロジェクト中の問題点や追加要望に対しても粘り強く対応してもらい、依頼して良かったと感謝しています。
上野
プロジェクトを進めるにあたって、手順書の記述レベルのばらつきを抑えるための専門チームの編成、発生した問題についての徹底的な解決、柔軟な運営などの工夫をしてオージス総研グループ総力を挙げて三井生命様をサポートしました。
生産性向上と高品質化の実現、
そしてマネジメントツールへと進化
藤村様
見える化・改善活動により属人化が解消し、安定的な組織運営の礎となりました。
効果としては、具体的な数値に基づく改善活動の定着、従業員の時間管理意識の醸成が挙げられます。
処理時間や残業時間を削減しただけでなく、業務の可視化により業務品質も向上しました。また、要員配置計画がタイムリーに行えるなど全体最適化を実現できました。
さらに、現場のマネジメント力が格段にアップしたことも大きな成果と言えます。管理者層が具体的な数値に基づき部下や他部門とのコミュニケーションが行えるようになり、今や現場に無くてはならないツールです。
石司様
今後の課題は、業務プロセスの見直しと継続的な効率化の推進、新しいマネジメントスタイルの確立と運用です。現場の多能工化を進める上で生産性との両立も重要なテーマです。
見える化は業務変革につながる未知の可能性を秘めていると感じます。
現在、事務センター以外の一部の本社部門、営業部にも「見える化」を導入しており、事務センター同様の効果を創出できるよう取り組んでいるところです。
オージス総研グループには先進事例の紹介や提案をこれからも期待しています。
保険システム開発から運用、業務改善までの
トータルソリューションを目指して
このような大規模な見える化プロジェクトをオージス総研グループ協働で行うことは初めての経験でしたが、三井生命様のご理解ご協力があったからこそ進めることができました。心から感謝しております。
オージス総研とさくら情報システムは、保険業界向けITセミナー共催やセキュリティ対策サービス提供など、グループとしての協働サービスを積極的に推進しております。
三井生命様の更なるご発展に貢献すべく、課題をお伺いしながらシステム開発および運用業務から広がるトータルサービスをご提案していきたいと考えます。
そして、このプロジェクトで得られたノウハウを活用し、保険業界で業務効率化の課題を抱えておられる企業のお役に立てることを願っております。
取材協力
三井生命保険株式会社(現:大樹生命保険株式会社) 様
1927年創業以来「いつの時代も、お客さまのためにあれ」を経営哲学として掲げ、個人および企業向け保険商品の販売と保険金支払、資産運用事業を展開。市場環境の変化や多様化するお客様ニーズに応えるべく変革に挑戦し続けている。
- 業務効率化推進室長
石司 晃様 - 業務効率化推進室
審議役
藤村 洋様
株式会社オージス総研 担当者
- コンサルティング・サービス部
業務改善推進
グループリーダー
中澤 祥浩
さくら情報システム 担当者
- 金融営業第3部
部長代理
山本 高志 - 金融ソリューション第2部
グループ長
上野 孝
※ 掲載内容、法人名、所属部署、肩書きなどは 取材当時のものです。
石司様
当社の事務センターは、保険事務全般を担っており、現在700名規模で運営しています。
事務センターでは、お客様サービス向上および業務効率化・標準化による組織の生産性向上が重要課題であるとともに、業務が属人化しベテラン担当者の定年退職時にスムーズに引継ぎができないなどの問題も抱えていました。
そこで、「事務センターBPR計画」を立上げ、見える化プロジェクトを業務効率化の中核施策として位置づけました。業務効率化効果が大きいシステム化はこれまで一定の対応を行ってきたため、本計画では「見える化」による業務改善・効率化を重視しました。
「見える化」は全従業員を巻き込む必要がありますので、キャッチフレーズを「効率UP!しごと見える化!?」と定め、事務センター全体を対象としたプロジェクトをスタートしました。