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COLUMN

役員コラム

プロジェクト

品質管理

PM視点から見た品質管理

鍵川 毅

2018.03.20

ITシステム構築プロジェクトにおける品質管理は、どの場合においても重要な関心事だと思います。
一般的にITシステム構築プロジェクトにおいて、ソフトウェア品質は目に見えない要素を多分に含んでいるため、その管理に対して多くの労力が費やされています。
書店では多くのソフトウェア品質に関する書籍が並んでおり、各企業が開催するセミナーなどでもソフトウェア工学の見地から多くの講義が行われています。

しかしながら上記書籍や講義の大半はエンジニア視点でのソフトウェア品質に関する説明であり、意外なほどPM視点での品質管理については述べられていません。
この状況については常々、疑問を感じております。
そもそもPMの仕事とはプロジェクトにおけるQCDを管理することであり、また多くのプロジェクトでは納期は与件であることを考慮すると、PMの仕事とは品質とコストをバランスさせる事にあると言えます。
そのような観点から見ると、現状は「ソフトウェア品質をどの様に管理してコストとバランスさせるか」というPM視点での品質管理に関する知識の共有が不足していると言えるでしょう。

エンジニアとしての品質管理とは、100点満点の品質を追求することであり、マネージメントとしての品質管理はコストバランスを考慮した全体最適を目指すことです。この前提に立ち、PMとしての品質管理手法に関してより闊達な議論と知識の集積がプロジェクトの成功に向けて必要であると私は考えます。

私自身の経験から申し上げると、PM視点の品質管理に関して最も重要な要素は顧客との合意です。
仮に顧客が品質に関して100点満点を前提としているなら、そのプロジェクトは必ず破綻します。なぜなら、与件と制約下でのプロジェクトにおいて100点満点の品質はあり得ないからです。
では90点なら大丈夫なのか? 80点は駄目なのか?

まだまだ多くの議論すべき要素があるのですが、スペースの関係上ここまでとします。
関心のある方、是非一緒に議論しましょう。プロジェクト成功の為に!!!

著者プロフィール

鍵川 毅

エグゼクティブフェロー

都市銀行の勘定系システムから大手電気機器製造業の製販システムなど、多岐に渡る業種のシステム開発を担当してきました。現在は、エグゼクティブフェローとして、主に大規模プロジェクトの統合マネージメント・品質管理マネージメントを担当し、SCMソリューションに関する研究活動に従事しております。



※ 所属部署・役職は2021年3月以前のものです

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