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2019年の年末調整に向けて

永野 三奈子

2019.03.20

今回は、2018年の年末調整を振り返ってみたいと思います。

2018年の年末調整における税制改正への対応は、私が年末調整に関わってきた約15年間で最大のものでした。配偶者控除と配偶者特別控除の適用がどちらか片方となった2004年や、保険料控除に介護医療や新旧区分が追加された2012年とは比較できないほどの業務上のインパクトがありました。

 

改正のポイント <配偶者控除、配偶者特別控除の見直し>

細かく見ると変更点は多いのですが、一番の変更は配偶者控除および配偶者特別控除の適用条件に、配偶者だけでなく所得者本人の合計所得も加わり、従来は一律だった配偶者控除額が所得者本人と配偶者のそれぞれの合計所得に応じて段階的に設定されたことでしょう。加えて、配偶者控除を受ける場合は「配偶者控除申告書」の提出も必要となり、控除の対象となる配偶者と所得者ご本人の所得を記載して複数のパターンの中から配偶者控除額を決定する必要も生じました。また、従来は年間所得が38万円以下の配偶者を「控除対象配偶者」として扶養控除等申告書に記載していたのが、2018年からは名称が「源泉控除対象配偶者」となり適用条件も変更されました。

 

2018年の年末調整の実態!?

年末調整を実施する対象者にとっては税制改正による申告内容の変更は甚だ判り難いものだったのではないかと思います。実をいうと、人事給与関連業務の一環として各企業様の年末調整業務のアウトソーシングサービスを担当している我々も当初は絶えずマニュアル片手に対応していました。

年末調整が始まると、我々のコールセンターにも予想以上のお問い合わせが殺到しました。我々の年末調整サービスは、大まかに分けると書面(紙)申告とシステム申告の2パターン<があります。書面(紙)申告の各企業の従業員の方からは、「そもそもどの申告書を提出するのか?」から始まり、記載内容、提出方法など多岐に渡ってたくさんのお問い合わせがありました。また、ご提出いただいた申告書については「扶養控除等申告書」と「配偶者控除申告書」との相違(特に配偶者の年間所得)が多く、提出された方に当社から確認のお問い合わせをする機会も多々ありました。

一方で、システムを利用した申告についてはシステム制御が機能したことで上記のような年間所得の誤登録はありませんでした。また、年末調整システム画面に公開した操作マニュアルが功を奏し、登録方法についてのお問い合わせ件数も比較的少なかったです。

もちろん、今回は税制改正があったことで制度に関するお問い合わせは例年よりも増えましたが、次回以降は従業員様の改正点の理解、システムへの習熟によってお問い合わせ全体の件数はかなり減るのではないかと思っています。

 

2019年の年末調整

年末調整をシステム化することによるメリットは上述した以外にも「申告書配布が不要」「申告内容のデータ化」など多数あり、自社の限られた人数で実施するのに大きな成果が出るものと思います。

今回、書面(紙)申告をされた企業の皆様も、次回の年末調整での負担軽減、効率化を目指して年末調整のシステム化をご検討されてはいかがでしょうか。

著者プロフィール

永野 三奈子

サービス事業本部 サービス事業企画部 グループ長

人事給与に関するお悩みはありませんか。長年、人事給与BPOの実務を経験するとともに、様々なお客様へのご提案、導入、業務改善に携わってきました。蓄積した専門知識やノウハウをもとに、常に利用者の目線で真の課題解決に向け、システムと運用の両面からサポートいたします。



※ 所属部署・役職は2021年3月以前のものです

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