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COLUMN

金融・保険コラム

保険業務

「業務見える化」のススメ 〜保険業務の課題を解決したい!!業務可視化による属人化の排除〜

小宮 嘉朗

2022.08.04

労働人口の高齢化が進む昨今、団塊ジュニア世代の定年退職までのリミットも近づいており、将来的に必要な労働者を確保できない状況が発生することは容易に推察できます。

足りない労働力を効率化によって補う必要性が高まる中、何をどうやって効率化するかを見極めるためには現状の正しい理解が不可欠で、これまで以上に業務の可視化に注目が集まっていると感じます。

業務可視化の利点は大きく分けて2つあると私は考えています。
・効率化する(できる)箇所の特定ができ、その対策がとれる
・属人化した事務(スペシャリストの頭の中にしか存在しない手順)をマニュアル化し、ナレッジを残すことができる

前者は正しい人員数の把握ができ、ムリ・ムダ・ムラの排除やRPAなどの導入により単純大量な作業の効率化が図れます。
後者はスペシャリストがある日突然いなくなっても困らないよう、社内にマニュアル(誰でも理解できる文章)としてナレッジを残し、リスクへ備えることが可能です。

業務可視化の推進は、マニュアルを誰が見てもオペレーションできるレベルに落とし込む必要があります。特に保険業界の事務は、商品の複雑性(多さ、組合せ)、保守サイクルの長さ(売り止めにした商品でも全ての契約が終了するまで保全し続ける)、この間に発生する外的要因(法制度改定等)などにより事務が複雑になっているため、現在のマニュアルの欠落・記載不足を明確にし、情報を付加する必要があります。そのため、現場の方々にヒアリングし、教えてもらう必要があります。

ただし、現場の方々の大多数は、ヒアリングに対して「今のままでも困らないし、仕事は回せている」、「可視化することで自分のナレッジを奪われそう」、「見えてほしくないものが見えそうで不安」など、壁を作っているように感じます。しかしながら、複雑な事務であるからこそ現場の方々の業務可視化に対する体制整備や理解が不可欠です。また、インタビュアーの能力も同じくらい大事だと私は考えています。現場の方々が行っている保険業務がいかに大切で大変なものか、保険業務システムがどのようなものかを理解している必要があります。

さらに、業務やシステムを理解するだけでなく、心を交わしながら現場の方々と共通の言語で会話することが重要です。
当社では開発業務にとどまらず、ユーザー部門、IT部門の方々の支援をしています。私自身も多くのステークホルダーと接するなかで、能動的なコミュニケーションを大切にしています。
今後もお客様の業務を理解し、お客様に寄り添いながらニーズにお応えしていきたいと思います。

著者プロフィール

小宮 嘉朗

法人事業本部 ビジネスソリューション第2部 グループ長

自動車部品メーカー、ソフトウェアハウスを経て、さくら情報システムに入社しました。
IT業界転職後は生命保険会社様向けのシステム開発に多く携わり、システム開発だけなく、ユーザー部門の業務支援を通じて、業務知識を身につけてきました。
使う側、作る側双方の立場での経験を活かし、お客様をご支援していきたいと考えています。

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