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COLUMN

金融・保険コラム

システム開発

生命保険業務

時代のニーズに沿って変化する生命保険とITシステム

御舩 淳子

2019.07.17

生命保険会社各社では毎年のように、新商品を開発・販売しています。その背景には健康志向の高まりがあるといえます。

医療の進歩により、治る病気も増えてきました。しかし、一方で生活環境の変化により生活習慣病などの病気にかかるリスクも増えてきているのも事実です。そのため、医療保険も複雑化しています。治療費だけでなく、生活費を保障する保険や生活習慣病を予防する目的で「健康であれば給付金を支払う」など、病気そのものだけに適用される保険だけではなくなってきています。

生命保険が時代のニーズに沿ったものになればなるほど、システムも複雑化し、数十年前からある既存のシステムに与える影響は大きくなります。
そして、新商品をシステム導入する際は、既存商品と共存させる必要があります。
今回は、契約管理システムの特徴および新商品発売に伴うシステムの改修ポイントについて保険金システムを例に述べたいと思います。

■契約管理業務とシステム

契約管理業務は、契約が成立した保険に対する「保全業務」「保険金支払い」「保険料の請求・収納」などの各種管理業務で構成されています。
上記業務をカバーするシステムが契約管理システムです。
契約管理システムは、下記複数のサブシステムから構成されており、契約管理を支援するための最重要システムといえます。

1.契約内容の変更や解約等の支払いを行う「保全システム」
2.顧客死亡時や保険満期時等に保険金・給付金の支払いを行う「保険金システム」
3.保険料の請求データ作成や収納処理を行う「請求/収納システム」
など

■保険金業務とシステムの改修ポイント

保険金業務は、顧客から保険金や給付金の支払い要求があった際に、請求内容を入力し、査定を実施します。査定後承認されれば、支払いが行われます。
システム改修する際には、大きく分けて、画面の開発と支払処理の開発があります。
新商品を追加する場合には、以下の検討・改修ポイントがあります。

・入力画面への新商品項目追加
・契約マスタの拡張
・保険種類の選別(医療保険、死亡保険、がん保険など)
・既存商品への影響有無

システム改修では、新商品ごとに項目が増えるため入力画面の大幅変更を余儀なくされた経験があります。また、契約マスタの拡張は使用しているシステムが多岐にわたるため、影響範囲が広大であり、他システムとの調整も必要です。追加する項目もわかりやすい項目名で作成する必要があります。

新商品をシステムに取り込む際には、既存商品にいかに影響を少なく、かつ容易に保守できるように改修することが肝要であると私は考えます。

著者プロフィール

御舩 淳子

金融事業本部 金融ソリューション第2部 リーダー

保険システムに携わって約15年、開発・保守を行ってきましたが、その多くは社員支援業務に従事。収納、契約変更、保険金支払、年金支払などの業務を通じて、専門的な保険業務知識も習得しました。そのノウハウを生かし、現在もお客様IT部門のご支援をさせていただいています。
二児の母となり、周りの助けもいただきながら、日々仕事に子育てに邁進中です。



※ 所属部署・役職は2021年3月以前のものです

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