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生成AIを活用するには?その使い方とビジネス応用法
2024.10.10
本コラムでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を考えている企業向けに、生成AIの基本的な使い方や実際の利活用方法について解説します。後半では、生成AIとAI OCR(光学文字認識)の組み合わせによって業務効率化を実現するソリューションについても紹介します。生成AIにあまりまだ馴染みのない方や、生成AIを既存の業務にどう適用するか悩んでいる方に向けた実践的な情報を提供します。
1、生成AIとは?その魅力と可能性
2、生成AIの種類と主なツール
3、生成AIの使い方<実践活用法!>業務を効率化する方法とは?
4、<余談>生成AIで文章校正を試してみた結果は?
5、生成AI×AI OCRで事務作業の効率化を実現
6、生成AIの限界と注意点:効果的な使い方のために知っておくべきこと
7、最後に
1、生成AIとは?その魅力と可能性
生成AIは、膨大なデータから新しいコンテンツを生成するAI技術です。画像、文章、音声など、多岐にわたる領域で活用されています。たとえば、チャットボットによる自然言語生成や、画像生成によるデザイン補助などが挙げられます。ちなみに、生成AIとは異なる従来のAI「識別系AI」は、データの分類や認識に特化し、既存のパターンを分析して答えを導き出す技術です。生成AIと識別系AIを組み合わせることで、より高度な自動化や分析が可能となり、企業のDX推進に大きく貢献します。
2、生成AIの種類と主なツール
生成AIにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる用途に応じた特徴を持っています。以下は代表的な生成AIの種類とツールです。できることと使い方例についても一部ご紹介します。
|
種類 |
ツール |
できること(例) |
使い方(例) |
1. |
テキスト生成AI |
GPT-4(ChatGPT)、BERT |
質問への回答や、ストーリー、 |
・チャットボット |
2. |
画像生成AI |
DALL-E |
テキストから非常にユニークで |
・広告・マーケティングのビジュアル生成 |
3. |
音声生成AI |
Google WaveNet |
自然な音声合成、複数原稿対応 |
・カスタマーサポート |
4. |
動画生成AI |
Runway、Synthesia |
(Runway)テキストや画像を元にビデオ生成 |
・プロモーションビデオの作成 |
5. |
コード生成 |
GitHub Copilot、Tabnine |
自然言語からコード生成(プログラミング) |
・アルゴリズムの提案 |
これらのツールは、それぞれ特定の目的に特化しており、企業が求める解決策に応じて選択が可能です。
3、生成AIの使い方<実践活用法!>業務を効率化する方法とは?
(1)生成AIの活用
生成AIの活用方法は非常に多岐にわたります。企業の業務効率化に役立つ使い方例は以下の通りです。
|
使い方例 |
利用に向いている部署や立場 |
1. |
文章作成 |
マーケティング、広報、人事部 |
2. |
コンテンツ生成 |
マーケティング、クリエイティブ担当、商品開発部 |
3. |
カスタマーサポート |
コールセンター、IT部門、人事部 |
4. |
データ分析補助 |
データサイエンス/分析部門、マーケティング、経営企画部 |
5. |
デザインサポート |
デザイン部門、クリエイティブディレクター |
6. |
翻訳 |
海外向け営業部、人事/総務部、法務部 |
7. |
コード生成 |
IT部門 |
これらはDX推進の一手段として、特に人手不足の補完や業務の自動化において有効です。
(2)アナログからデジタルへ(生成AIでDX推進)
企業の業務効率化の手段として、アナログからデジタルへの移行は非常に有効です。アナログとは、紙の書類や印刷物を指し、これらをデジタルデータへと変換することで、業務プロセスを簡素化し、スピードアップが図れます。デジタル化の手段としては、従来からOCR(Optical Character Recognition、光学文字認識)が活用されてきました。
最近では、さらに進化したAI OCRが注目されています。AI OCRは、従来のOCRにAI(人工知能)の技術を組み合わせることで、より高精度な文字認識や、柔軟なフォーマット対応を可能にしています。特に、手書きの文字や複雑な書類レイアウトに対しても優れた精度を発揮し、多くの企業で採用が進んでいます。
そして、AI OCRによってデジタル化されたデータは、次の段階として生成AIの力を活用することができます。生成AIは、入力されたデータを基に新たな情報や分析結果を自動的に生成する技術であり、業務効率化の新たなステップとして期待されています。例えば、AI OCRで取り込んだ書類から得た情報を、生成AIが自動でレポートや提案書にまとめるといった応用も考えられます。
さらに、生成AIの力を借りることで、これまでAI OCRでは対応が難しかった画像データや非定形帳票など、フォーマットが固定されていない書類の読み取りも可能になっています。これにより、従来のOCR技術では難しかった領域にも対応できるようになり、より多様な業務シーンでのデジタル化が進むと考えられます。
4、<余談>生成AIで文章校正を試してみた結果は?
本コラムの後半では、前述で触れた生成AIとAI OCRを組み合わせたソリューションの説明を予定していますが、その前に、実際に生成AIを使って文章校正を行った例を紹介します。
今回は、当社HPに掲載しているサービス紹介ページの一部を例にして、Chat-GPT4oにて文章校正を確認してみました。
<校正対象の文章> 注:校正対象は赤文字
WebとAPI経由でPDFや写真をアップロード、結果をダウンロード
まずは無償のWeb画面でお試してみてください。トライあル用の標準のテンプレートを使い、お手持ちのPDFや写真などでご利用イメージを退官いただけます。
トライアルアカウントは二種類。メールアドレスのみで枚数を限定しお試しできる環境と、お客様情報を登録いただいた上でより多くの枚数をお試しできる環境の二種類から選択可能。
お申し込み後はWebとAPIの両方のインターフェースでご利用である。
<プロンプト>
以下は製品の説明文です。最初の1行はタイトルです。文章の誤りを訂正してください。
<実際に実行した結果>
<修正された文章>
WebとAPI経由でPDFや写真をアップロード、結果をダウンロード
まずは無償のWeb画面でお試しください。トライアル用の標準テンプレートを使い、お手持ちのPDFや写真でご利用イメージをご確認いただけます。
トライアルアカウントは二種類。メールアドレスのみで枚数を限定してお試しいただける環境と、お客様情報をご登録いただいた上で、より多くの枚数をお試しいただける環境の二種類から選択可能です。
お申し込み後はWebとAPIの両方のインターフェースでご利用いただけます。
<校正結果を見て>
実際に試したところ、以下の対応がされました。
- 誤字脱字の即時修正:AIが数秒で正確に誤りを指摘。
- 文章のトーン調整:ビジネスシーンにふさわしい口調やフォーマットに自動修正。
「退官」を「体感」と変換されることを期待しましたが、今回は「確認」と修正されました。とはいえ、意味としては問題ないかと思います。
5、生成AI×AI OCRで事務作業の効率化を実現
さて、ここからコラム後半では生成AIとAI OCRを組み合わせたソリューションについて紹介したいと思います。
生成AIとAI OCRを組み合わせたソリューションにより、企業の業務効率は飛躍的に向上します。具体的には、以下のようなシーンで有効です。
- 書類のデジタル化:AI OCRで紙の書類をデジタル化し、生成AIを使って内容を自動で要約・整理。
- 自動データ入力とレポート生成:契約書や請求書をスキャンして内容を読み取り、必要な情報を自動で抽出・整理。さらに生成AIがレポートや提案書を自動生成。
- カスタマイズされたソリューション:特定の業界やビジネスニーズに合わせた個別のサービスを提供。
これにより、企業は人的リソースを節約しつつ、より正確で迅速な情報処理を実現できます。AIを組み合わせることで、ビジネスプロセス全体のデジタル化を加速させ、DXを効果的に推進します。
<以下、事務サービスでの使い方例>
・海外請求書事務
英字等の請求書から請求日付、請求明細データを取り出し、後続の各種システムに取り込むデータを作成
・保険金申請書/請求書事務
各種保険請求の申告書データをとりまとめ、審査システムへの入力データ作成。データ分析結果の出力。
・公共料金事務
全国展開の支店、店舗、ホテル等で使用された公共料金請求書のデータを集計。使用量の集計、時系列比較、後続の各種システムに取り込むデータ作成。
・契約書管理
各種契約書に記載の親子関係を把握し、紐づけを行う。契約日、契約期間などの重要データ抽出。契約管理を支援。
・【リース企業向け】与信受付事務
与信に必要な各種データ作成。決算書、関連書類などの紙・PDFをデータ化。検索利用できるようにする。
・決算書データ化
与信や財務分析に必要な貸借対照表、損益計算書などのデータ化。簡易分析。
このコラムでは、生成AIの基本的な説明から、具体的なサービス使い方例まで紹介しました。生成AIとAI OCRの連携によって、企業のデジタル化はさらに加速し、競争力の向上が期待できます。
6、生成AIの限界と注意点:効果的な使い方のために知っておくべきこと
生成AIは非常に強力なツールですが、効果的に活用するためにはその限界や注意点を理解することが重要です。以下の点に注意することで、生成AIの利用を最適化できます。
1. データ依存性とバイアス
生成AIは学習データに依存しているため、データに含まれるバイアスや偏りが出力結果に影響する可能性があります。たとえば、不正確な情報や特定の視点に偏った結果が生成されることがあるため、AIの出力は必ず人間が確認し、必要に応じて修正することが重要です。
2. 完全自動化にはリスクが伴う
生成AIが提供する結果は高品質であるものの、100%正確なわけではありません。特にビジネス上の重要な決定や法的文書などでは、生成AIだけに依存せず、最終確認や修正を行う必要があります。人間の判断力や専門知識を補完するツールとして使うのが理想です。
3. プライバシーとセキュリティの問題
生成AIを利用する際、入力するデータや生成されたコンテンツに関して、プライバシーやセキュリティのリスクがあります。特に企業の機密情報や個人情報を取り扱う場合、適切な管理とセキュリティ対策を行うことが必要です。
4. 創造性やオリジナリティの限界
生成AIは過去のデータから新しいコンテンツを生成しますが、完全に新しいアイデアや革新的な発想を生み出すことには限界があります。クリエイティブな作業では、AIを補助的に活用しつつ、人間の創造性を活かした作業が依然として重要です。
5. コストと運用管理
生成AIの高度な機能は魅力的ですが、ツールの導入・運用にはコストがかかります。また、AIのトレーニングやチューニング、アップデートを継続的に行う必要があり、適切なリソースを確保することが求められます。
これらの点に留意しながら、生成AIを活用することで、そのポテンシャルを最大限に引き出し、業務効率化やDX推進に役立てることができます。
7、最後に
本コラムでは、生成AIの基本的な概要から、具体的な活用方法やAI OCRとの連携による業務効率化まで、幅広く解説しました。生成AIは、文章や画像、音声の生成を通じて、企業のさまざまな業務に革新をもたらす可能性を秘めています。また、AI OCRと組み合わせることで、書類のデジタル化や自動レポート作成など、さらなる効率化が期待できます。
ただし、生成AIを効果的に活用するためには、その限界や注意点を理解し、適切な管理のもとで導入・運用することが重要です。正しい知識をもとに活用すれば、企業のDX推進に大きく寄与するツールとなるでしょう。
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さくら情報システム編集部
業務を効率化しビジネスのお役に立てるようなコラムを、人事や経理、システムなどバックオフィス業務を担当している方や経営層の方向けに発信しています。