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役員コラム

プロジェクト

プロジェクトマネジャーという仕事の魅力(前編)

鍵川 毅

2017.08.29

プロジェクトマネージャーという仕事が持つ魅力について、前編・後編の2回に分けてお話ししたいと思います。

IT業界での職種の一つにプロジェクトマネージャーという職種があります。皆さんもご存知かと思いますが、ITシステムを構築する際にはプロジェクトを組成し、組織としてシステム構築を遂行するケースが多くあります。そのプロジェクトを船旅に例えるのであれば、船長に相当する役目を担うのがプロジェクトマネージャーです。
私自身は多くのプロジェクトにて、このプロジェクトマネージャーの役割を担ってきましたが、その職種の奥深い魅力に嵌まった一人と言えるでしょう。

ではプロジェクトマネージャーの何が、そんなに魅力的なのでしょうか?

魅力のひとつを挙げると、その圧倒的な達成感です。最近は期間の短いプロジェクトも多いのですが、数ヶ月間、時には1年以上の期間をかけて構築したシステムが無事稼働した時の達成感は他では経験できるものでは無いと思います。プロジェクトは一般的に計画段階から始まり実行段階を経て運用段階へと変遷しますが、その過程で最も達成感を得られるのは初稼働の時です。計画段階において外部からの与件やリスクなど諸々の要素を考慮しても実行段階でさまざまな課題に直面し、計画の変更を余儀なくされる事がたびたび発生します。その様な多くの困難を乗り越えた先にようやく辿り着くゴールが初稼働なのです。自身の経験を振り返ると、難易度が高ければ高い程「なんとかして成し遂げたい」という気持ちに駆られ、プロジェクト完遂の暁にはより大きな達成感を得たと記憶しています。心理学的にはこのような「なんとかして成し遂げたい」という心理を「達成動機」と呼ぶそうです。

達成動機とは心理学者J.W.Atkinsonによって定義された「目的を成し遂げたい」という動機の事です。この動機の強さは以下の要因にて決定されると提唱されています。

達成動機の強さ = 動機 × 主観的成功確率 × 目標の魅力・誘因

私は「この式は含蓄に富んでいるな〜」と感心します。特に客観的成功確率ではなく主観的成功確率となっている所が重要な示唆だと感じます。

話を本題に戻しましょう。
コラム冒頭にてプロジェクトマネージャーを船長に例えましたが、単独航海中の船長権限は絶対であっても、港に停泊中又は艦隊として行動中の船長は必ずしも唯一の指揮権保有者ではありません。同様にプロジェクトにおけるプロジェクトマネージャーはプロジェクト遂行に関する職務権限を有しますが、そのマネージャーの監督者がプロジェクトの外部に存在します。つまりプロジェクトマネージャーといえども所詮、中間管理職なのです。

後編に続く。

著者プロフィール

鍵川 毅

エグゼクティブフェロー

都市銀行の勘定系システムから大手電気機器製造業の製販システムなど、多岐に渡る業種のシステム開発を担当してきました。現在は、エグゼクティブフェローとして、主に大規模プロジェクトの統合マネージメント・品質管理マネージメントを担当し、SCMソリューションに関する研究活動に従事しております。



※ 所属部署・役職は2021年3月以前のものです

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