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COLUMN

金融・保険コラム

生命保険業務

生命保険を理解しましょう

上野 孝

2017.06.13

前回までのシステムや業務の話から離れて、今回は、『生命保険を理解する』というテーマで述べてみたいと思います。

ご自身が加入している生命保険の内容をよく理解しないまま、月々数万円の保険料を支払っている方は意外と多いのではないでしょうか。一般的に家に次ぐ大きな買い物といわれ多大な出費を伴うのが生命保険です。しかし、生命保険の内容を事細かに把握するのは難しいのが正直なところだと思います。以前のコラムで私が保険会社の業務システム開発に携わるにあたって生命保険を理解してきたと述べましたが、簡単なことではありませんでした。当初は何をどこから学習すればよいのか皆目見当がつかない状況でした。

では、何が生命保険を難しくしているのか?それは、保険商品の複雑さが一因だと思います。数年前に、保険金の不払い問題が話題になりました。その原因も、その複雑さゆえに、お客様が「保険商品を理解できていなかった」、販売する側も「お客様への説明を十分にできていなかった」という点にあると思われます。

私が生命保険のシステム開発案件に参画した当初、生命保険会社の方から「生命保険を理解するには商品の理解が必須だ」とアドバイスを受けました。

保険の商品は基本的には以下の3種類であると言われています。

定期保険 保険料は掛け捨て、保険期間あり、期間内の死亡時に保険金が貰える
終身保険 保険期間は一生涯
養老保険 保険期間の満期時、期間内の死亡時どちらでも保険金が貰える

案外シンプルです。ただし、これは主契約の種類であり、それに、特約というオプションを組み合わせることができます。この非常に種類が多く、かつ、販売時期により内容が微妙に異なる特約が保険商品を分かり辛いものにしているのです。

<特約の一例>
定期保険特約 ⇒さらに細分化多々あり(3大疾病保障~、障害保障~、生活保障、介護保障~など)
障害特約
傷害特約
災害特約
医療特約 など

主契約との組み合わせとその種類の多さに、
「複雑だ...」
それが当初の私の感想でした。

その複雑な商品の説明書として、保険商品にはそれぞれ約款というものがあります。この約款も容易に理解できるものではありません。冒頭の「しおり」部分はイラストや表を使い、比較的分かりやすく説明されています。しかし、本文の「約款」部分は長文かつ細かい字で商品の規定・特則などが説明されており、また、用語自体も馴染みのない言葉が数多く登場しています。

このように商品種類の多さ、特約の組み合わせの多さ、馴染みのない用語が保険を難しくしていると感じていました。ただし最近では、商品構成は比較的シンプルになり、約款も用語の説明を加える、文字を大きくする、などの工夫がされ、徐々に読みやすく、かつ理解しやすくなってきています。

皆さんの中にも約款を端から端まできちんと読んだという方は少ないかもしれません。約款は決して面白いものではありませんが、商品についての全ての約束事が記載されていますので、是非、一読いただき、ご自身が加入されている保険の理解を深めてみることをお勧めします。

生命保険に加入の際はくれぐれも慎重にご検討ください。保険は家に次ぐ大きな買い物ですから。

著者プロフィール

上野 孝

金融事業本部 金融ソリューション第2部 グループ長

保険のシステム開発に関わって約20年、これまで延べ12社の開発、保守、社員支援を行ってまいりました。また、アプリケーションスペシャリストとして、システム開発だけでなく専門的な業界知識も蓄積してきました。現在も、その中で得てきたノウハウを活かし、お客様のIT部門を中心に支援推進中です。



※ 所属部署・役職は2021年3月以前のものです

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