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COLUMN

会計コラム

クラウド

会計システムとクラウド

柳原 寛

2018.03.13

昨今のクラウドの台頭は著しいものがあります。会計システムにおいてもこの流れは着実に来ていると感じます。今回は会計システムとクラウドサービスについて書きたいと思います。

クラウドと一口に言っても、インフラやOSまでを提供するIaaS/PaaS、アプリケーション(今回の場合は会計システム)も含めて提供するSaaSの2通りがあります。また、クラウド事業者の提供する「パブリッククラウド」、自社内でクラウド技術を使用して構築する「プライベートクラウド」という区分けもありますが、混乱を避けるため、ここで言うクラウドは「パブリッククラウド」を指すことにします。

数年前までは会計システムのような重要なシステムを外部のクラウドに載せるということは、ユーザー企業、特に大企業にとってはあり得ない話でした。先進的な企業が会計システムをクラウド(IaaS/PaaS)に載せたとなると、それだけで大きなニュースになるほどでした。しかしながら、昨今では大企業でもクラウド(IaaS/PaaS)を選択するケースが増えてきています。これはクラウド(IaaS/PaaS)サービスそのものの認知度が上がってきた事が1つの要因です。またコストダウン施策として分かりやすく、ユーザー企業の情報システム部門の施策として企画しやすくなってきているためだと感じます。むしろクラウドを検討しない方が、情報システム部門としての役割を果たしていないと経営陣から見られるケースもあるでしょう。

最近ではSaaS型の会計システムもいくつか出てきており、無視できない存在になっています。中小企業の2割程度がSaaS型会計システムを選択しているという調査もあるようです。しかし、日本の大企業/中堅企業では、まだまだSaaS型会計システムは普及していないのが現状ではないでしょうか。米国には大企業でもSaaS型会計システムを導入している事例がありますが、日本ではそれほど聞かないのが現状です。SaaS型会計システムを選択するメリットは、アプリケーションのバージョンアップなどをサービスプロバイダーが実施してくれるため、ユーザー企業がこのような煩わしい作業を行わなくて済むということが挙げられます。その代わりにSaaS型会計システムには直接アドオン(=機能追加)することはできず、標準機能をそのまま使う必要があります。

日本でもERPの標準機能のみを導入し利用することが多くなりつつありますが、米国ほどドラスティックではないようです。それは人材の流動性にも関連があると言われています。米国では人材の流動性が高いので、ERPの標準機能のみを利用することによって人の入れ替わりに対応できるメリットがあります。例えばSAPを良く知っている経理人材は他の会社に移っても即戦力になるということです。逆に日本では人材が長く在籍することが前提となっているため、システムを人に合わせる傾向があります。そのためこれまではERPを導入する際にアドオンするケースが多々ありました。しかし今後は、日本でも人材の流動化がますます進んでいくと予想されますから、この傾向も変わってくるかもしれません。

最後に1点補足しておくと、さきほどSaaS型会計システムにアドオンできないと記しましたが、フロントアプリケーションを別のクラウド(IaaS/PaaS)上に作成することは可能です。当社でもSaaSではありませんが、SAPをクラウド(PaaS)上に標準導入し、フロント入力システムを別のクラウド(PaaS)上に構築した経験があります。

昨今のクラウドの進歩は目ざましいものがあります。会計システムも決して聖域ではないと感じています。

 

 

  • ※ SAPは、ドイツおよびその他の国におけるSAP SEの商標または登録商標です。

著者プロフィール

柳原 寛

法人事業本部 ビジネスソリューション第2部 部長

ERP会計コンサルタントとして、電力、通信、不動産、金融など多岐に渡るお客様へERPを導入してきました。現在はERP部門のマネージャとして、OracleEBS、SAP、Biz∫(ビズインテグラル)といったERPと様々な周辺システムを組み合わせた会計トータルソリューションをお客様へ提供しております。


※ 所属部署、肩書などは掲載当時のものです。

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