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COLUMN

BizTechコラム

AI

AIへの取り組み方(第2回) AIは「作る」から「使う」へ  -開発・運用現場編-

藤島 孝章

2021.03.03

はじめに

「AI導入は進んでいますか?」

AIへの取り組み方(第1回)−身近なデータにAIを活用できるようになるまで−」でも述べたように、近年AIに関する新技術・新製品が次々と登場し、AI導入・活用は欠かせないものとなっています。
しかしながら、総務省の白書や民間シンクタンク発表資料を見ますと、AI導入が進んでいない、もしくはあまり進んでいない企業が多いように感じます。
どの企業も必要性は認識しているのに、導入があまり進んでいない理由はなんでしょうか?敷居の高さ、人材の不足等々あるかと思います。
これから、「AI導入に必要だと考える3要素」および当社での考え方・事例を紹介します。特に、開発現場で案件を任されているプロジェクトリーダーや組織の長に読んでいただき、AI導入に向けて一歩を踏み出す、あるいはより先へと踏み込むきっかけとなれば幸いです。

AI導入に必要だと考える3要素

私がAI導入に必要と考えるものは、1.業務理解2.データ3.AI技術です。

上述した本コラムを特に読んでいただきたい読者のみなさまは、1.業務理解、2.データはすでにお持ちなのではないかと思います。3.AI技術についても、必ずしも自前で揃える必要はなく、他社と協業する選択もあります。
以下、理由とともに詳しく説明していきます。

要素1 業務理解

AI導入の多くは、既存システム(サービス)にAIを導入するケースです。既存システムの「人間がしていること」を「AIに置き換える」わけです。置き換える対象は、効果が大きいものを選択しなければなりません。この際、何が課題となっているかを把握し、何を解決するかを決定するうえで業務理解は必須です。会社の強みを活かす、と言い換えても良いかもしれません。

要素2 データ

AIに正しい判断をさせるためには、やはり大量のデータが必要です。データをゼロから揃えるのは大変です。その意味でも上述した既存システムへのAI導入は理にかなっていると言えます。既存システムには記録目的であったかもしれませんが、データがあふれているはずです。
どんな課題を解決するかに合わせて追加・修正が必要になりますが、これらのデータを活用しない手はありません。

要素3 AI技術

最後にAI技術です。といっても、AI技術そのものを実装するスキルは必要ないと思っています。AIはどんなデータがあれば、どんな手法を利用し、どんな課題を解決できるのかを大まかに把握するレベルで十分と考えます。具体的には、通常のメールとフィッシングメールというデータがあれば、自然言語処理の分類手法を利用し、フィッシングメール(異常)をいち早く検出できるという具合です。
実際のAI技術は、AIのトップランナーとの協業が現実的です。まさに「作る」から「使う」への考え方のシフトが有効だと感じています。

当社の取り組み

では、当社において上記3要素をどう考え、活かしているかを紹介したいと思います。

ご提供しているサービス

当社の強みを活かし、AIトップランナー企業の最新のAI技術と組み合わせた事例です。
強みのうち、セキュリティ領域ではホームページ脆弱性診断サービス、BPO領域ではOCRサービス、人事・給与領域ではチャットボットサービスを他社と協業し、お客様へご提供しています。

現在検討中のサービス

開発・運用現場では、業務理解やデータを元に、業務の一部をAIに置き換える試みを進めています。人間が行っていた帳票の確認をAIに画像認識させる、AIに文章を整理させ意味合いを抽出させるなどです。AIも万能ではありませんので、相変わらず残る人間のタスクも含めてトータルで使い勝手の良い提案のための準備も同時に進めています。

まとめ

こうしてみると、AIを導入すること自体はさほど敷居が高いものではないということがお分かりいただけたのではないでしょうか。AI技術そのものよりも、自社の得意領域・業務あるいはデータを見つめ直し、課題は何か?どう解決するか?とAIの適用どころはどこか?そのAIサービスを有している企業はどこか?といった「目利き」を目指すことが何より重要であり、AI導入の一歩になるのではないかと思っています。

さいごに

人の作業の代替としてのAI導入にとどまらず、人では気付かなかったお客様の心の声を拾い上げることこそがAIの導入効果であると考えています。
私自身の願いとしては、当社もそのような人間味のあるAIを導入し、お客様との心の距離を縮められるようなサービス提供を目指していけたらと思っています。

著者プロフィール

藤島 孝章

技術開発部

AIに魅せられ、2019年、社内公募制度を利用し技術研究・サービス化を主導する技術開発部に異動しました。
これまで人事領域(主に一般従業員・管理者向けの評価システムの開発・運用)に長く従事してきた経験を活かし、AIによって"人"に活力を与えられるようなサービスの提供を目指しています。


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