CASE STUDY
ケーススタディ
人事・給与
ASPシステムと人事業務
BPOを同時に構築し、
新しい人事体制を実現
株式会社ベネッセコーポレーション様
INTERVIEW
人事アウトソーシングにより、 コア業務に集中できる人事体制を構築
岡山本社の人財部での給与関連業務の契約社員の契約終了に伴い、業務を整理・改善し、人財部の拠点を東京本部へ集約することを決定。HRAサービス(人事総合ソリューション)を導入し、社内で運用保守していたシステムをASP化と人事業務のBPO化を行い、人財部内の効率化をはかり新たな体制を整備した。
※ ASP : Application Service Provider / BPO : Business Process Outsourcing / HRA : Human Resource Administration
人財部の業務を見直し新たな体制
徹底した進捗管理を行いBPOとシステム開発を同時進行
森様
人事業務は長年にわたって社内で行ってきたことですから、アウトソーシングするということに対する不安もありました。そこで、「サービスレベルを含めて全体の品質を落とさないこと」「業務のスピード感を損なわないこと」「コスト減に繋がること」「アウトソーシングしても業務ノウハウを蓄積できること」という4点を満たすことを目標に、プロジェクトをスタートさせました。最終的には人事的な企画・運用・判断を行うコア業務に専念することを目指していましたが、まずは岡山の人財部で行っていた給与関係の業務、また東京のノンコア業務についてアウトソーシングすることから始めました。
当社は社員を財産として扱う会社だけに、過去からたくさんの人事施策が積み上がっています。それは社員にとっては喜ばしいことですが、きめ細やかな対応をしていた我々の行う人事業務をフロー化して整理するには大変でした。
担当者
ベネッセコーポレーション様の場合、もともとの人事制度の完成度が非常に高く、業務フローもしっかり整備されていたので、そのフローを元に当社のHRAサービスを導入していきました。しかし、制度の中には業務フロー内におさまりきっていない、特別なオペレーションを必要とするものもあり、そういったものについては当社サービスのフローに適合できないか、提案させていただきました。 プロジェクトの進行に関しては、PMBOK(Project Management Body of Knowledge)によるプロジェクト管理、MS-Projectを共通インフラツールとして活用し、システム開発とBPOそれぞれの進捗状況を時間単位で可視化して進捗管理を徹底させました。その結果、BPOの引き継ぎ作業も人財部様のご要望を踏まえ、当初の予定より1カ月以上前倒しで行うことが可能となり、2011年4月の本格導入の前に十分な準備期間を確保することができたのです。
業務をBPOすることで業務の可視化・標準化にも
森様
給与業務のアウトソーシングにあたっては、岡山と東京という距離の問題もありました。人財部の業務の大部分はすでに岡山本社から東京本部にシフトしていたのですが、給与業務に関しては岡山で継続して行い、東京でマネジメントを行うという状況でした。岡山での業務のアウトプットについては東京でも把握していたものの、フローに見えない業務も多々あり、全てを把握するのは大変困難でした。
そこで、さくら情報システムさんのBPO担当の方には何度か岡山に足を運んでいただき、直接業務担当者へのヒアリングをしていただき、見えにくくなっていた業務を明らかにし、可視化してもらいました。しかも、新たにこれまで見えていなかった業務が出てきても、その都度素早く取り入れることのできる対応力の高さには驚きました。
担当者
通常であれば業務のアウトソーシングを行った後も、それまでご担当されていた方が社内で別の業務にあたられていることが多く、導入後に不明点などを質問することができます。ところが、今回は給与業務についてカットオーバーと同時にそれまでのご担当の方が退職となるため、期限内に全ての業務を把握する必要がありました。そのため、既存のフローを理解し質問事項を纏めるなど、事前準備をしっかり行った上で岡山に行かせていただき、実際に使われている書類や作業方法などを拝見しつつ、ご担当の方から直接業務の流れを説明していただきました。そして、アウトソーシング後のプロセスに結びつくよう、必要に応じて改善を行いながら、全ての内容をドキュメントに纏めていきました。
誠実な対応・人柄がベネッセの社風とマッチ
森様
2011年4月、人財部の体制は昨年より10数名の減員でスタートしましたが、業務の質を下げることなく、むしろこれまで不明だった業務を可視化することができました。今回、給与の業務をアウトソーシングしたことで各業務のコストパフォーマンスを明らかにすることもできましたので、今後はコストパフォーマンスも意識しながら、業務の改善・標準化を行っていきたいと考えています。
さくら情報システムさんについては、以前からエンジニアの方の誠実な人柄が強く印象に残っていましたが、今回のプロジェクトを通じて、その誠実さは個人のものではなく、さくら情報システムという会社の社風であると分かりました。人を大切にする社風は当社にも通じるものがあり、そういった点からも良いパートナーに恵まれたと感謝しています。
さくら情報システムさんは人財部の業務の一部を担っていただいているのですし、さらなるバージョンアップに向けて、お互いに協力して進めていければと思います。
取材協力
株式会社ベネッセコーポレーション 様
1955年岡山県に株式会社福武書店を設立。1995年に称号を株式会社ベネッセコーポレーションに変更。会社名でもある「よく生きる」の実現を目指し、ベネッセグループ(親会社は株式会社ベネッセホールディングス)として「国内教育」「海外教育」「生活」「シニア・介護」「語学・グローバル人材教育」の5つを事業領域として展開。
- 人財部
労務課
課長
森 克義様 - 人財部
労務課
BPO運用責任者
石﨑 義人様
さくら情報システム 担当者
- HRS事業部
BEプロジェクト
グループ
部長
藤森 真宏 - HRS事業部
BEプロジェクト
グループ
リーダー
下里 祐司 - HRS事業部
BEプロジェクト
グループ
リーダー
永野 三奈子
※ 掲載内容、法人名、所属部署、肩書きなどは 取材当時のものです。
石崎様
当社における給与関係の業務については、岡山本社の人財部で行っていました。ところが、2011年3月末をもって給与業務の大部分を担っていた有期雇用の契約社員の契約が終了することになり、それぞれの業務をどのように引き継ぐかという課題が浮上していました。また、同じタイミングで、岡山で行われていた人財部業務を東京本部に集約させようという計画もあり、2008年頃から業務全般の見直しが行われていたのです。
選択肢としては、東京で新たに社員を採用することも可能でした。しかし、それまでの人財部の業務を見直してみると、ノンコア業務である各種手続きやデータ管理などのオペレーション業務に追われる部分が多く、部員が人事のコア業務に専念する時間が少ないということが判明しました。なかでも契約社員が担当していた部分にはオペレーション業務が多くあり、思い切ってそれらの業務をアウトソーシングすることを考え、以前からシステム面でお付き合いのあったさくら情報システムさんにご相談しました。
また、東京本部で行っていた給与システムのサーバ等の資産管理やアプリケーションの運用保守もASPにし、アウトソースすることにしました。
さくら情報システムさんには、2009年10月のコンサルティング開始から4カ月間かけて業務分析やプロダクト分析を行ってもらった上で、2010年2月から翌2011年3月までプロジェクトを進行していただきました。