サービス事業本部 HRS第2部 部長
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成熟度別のコア業務について

下里 祐司
2014.02.05
今回は、前回までの続きとして業務成熟度別のコア業務と、有効な業務改善策についてお話しをさせていただきます。
前回までで人事部門のコア業務は成熟度によって変化することを、お伝えしてきました。
しかし成熟度はどのように業務をセグメントし、どのように測定し、どのように高めていけば良いのか、漠然としてしまいます。
そこで私は次のような分け方と、測定の指標、業務改善策をご提案しています。
【 定型性の高い業務 】 : 給与支払、退職金、社会保険関連、納税関連、控除関連等
○成熟度 低
手順化や見える化がされずに暗黙知となっている。法定手続きが多いが、知らずに違反をしているケースが潜在的にあるような状態。
《業務改善策》
現業務フロー作成
⇒ 内部統制上のリスクチェック
⇒ 新業務フロー作成
⇒ フロー上の手続きの手順書 or マニュアル作成
○成熟度 中
業務はフローやマニュアルで共通化されているが、手作業や視覚チェックが多く、常にミス等のオペレーショナルリスクが潜んだ状態。
《業務改善策》
手作業や視覚チェックのプロセスの洗出し
⇒ 自動化可能か検討
⇒対象プロセスのシステム化 or 業務全体のシステム化
○成熟度 高
業務はシステムにより自動化され、オペレーショナルリスクは管理可能な状態。効率的な運用が実施されており、内部プロセスだけではこれ以上の省力化は難しいところまでブラッシュアップされている。
《業務改善策》
各プロセス毎に内部で実施しなければ成り立たない業務か選別
⇒ 対象の業務、システムはアウトソース可能か検討
⇒ 業務、システム共に可能な限りアウトソースし、非定型業務へ注力可能な時間を最大化する。
まずは定型性の高い業務について、成熟度を3段階に分け、指標となる業務の状態と業務改善策の一例をあげさせていただきました。
ご覧いただいたように、定型性の高い業務は改善の方法も良く知られており、見た目の改善効果もわかり易いことが見て取れると思います。数年前までの業務改善では、定型性の高い業務をいかに効率よく実施し、コア業務に注力していくかに視点が向けられていました。
しかし近年では人材確保の為のコア業務としてあげられる、企画や育成系の業務についても業務改善の光が当てられるようになってきています。
次回以降はコア業務として位置づけられることの多い、非定型業務の成熟度や業務改善についてご提案させていただき、その後に事例をご紹介させていただきます。
今後も不定期にコラムを掲載させていただきます。
ご興味を持っていただけた方は、次回もご覧いただければと思います。
著者プロフィール

下里 祐司
人事給与、社会保険、ITと複数の視点で業務改善からシステム導入、運用構築までをワンストップでサポートします。
IT技術をバックボーンに人事部経験や社会保険労務士の知識を活かした人事給与業務の業務改善、効率化、システム化を得意としています。
※ 所属部署・役職は2021年3月以前のものです