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新型コロナで会計業務のDXはどうなる?

氏木 圭一

2020.09.04

経済産業省が2018年12月にまとめた「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」を受けて、今や「DX」は、ビジネスシーンには欠かせないキーワードとなりました。

そして今年2020年は、新型コロナウイルス感染による緊急事態宣言が発令され、DX推進にさらに拍車がかかったと言えるでしょう。
その理由の一つとして、「テレワーク(在宅勤務)で業務を行う」ということが挙げられます。
今回は、テレワークが「DX」を推し進める例として、会計業務に関連して見聞きした件と、私自身の実際の経験について紹介したいと思います。

やっぱり最優先はペーパーレス

「ペーパーレス」という言葉は、以前からよく耳にしているかと思います。これまではどちらかというと経費削減が目的でしたが、今後はそれに加えて「テレワーク」も目的の一つになるでしょう。というのも、紙業務・押印業務などは、テレワークでは対応不可のケースが多々あるためです。実際に、ある調査によると緊急事態宣言後の出社理由の56%は紙処理の業務のためというデータもありました。

会計業務に関していうと、ペーパーレスは「電子帳簿保存法」によるものが多く、契約書、見積書、領収書、請求書といった国税関係帳簿書類が対象です。
これらを解決する手段としては、経費精算、電子契約のクラウドサービスなどがあります。テレビやインターネット上の広告でもよく見かけますので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
また2020年度の税制改正では、「キャッシュレス決済における証憑処理が完全ペーパーレス化」され、さらに緩和に進むようですので、より一層「ペーパーレス」が進むでしょう。

〇〇をよく知っている××さんが、近くにいない!

私が在宅勤務をしていて経験したことなのですが、オフィスにいれば、「これってどうやるんでしたっけ?」と近くの席にいるメンバーにさっと聞けて進められたことが、いざ、在宅勤務となると、「すぐに聞けない」「自分で調べようにも、時間がかかる」といったことで、これまでは数秒で終わっていた作業が数分、場合によっては数時間かかってしまうということがありました。そういったことから、今回の在宅勤務では規模の大小を問わずいくつかの業務において属人化していたことを痛感しました。

しかし、在宅勤務が主な勤務形態の一つとなることで、業務を見直し、不要な業務の削減を行う良い機会となりました。
例えば、「これって更新しなくてもいい?」「この承認って要るんだっけ?」と業務そのものの必要性や申請処理の承認フローの簡素化などを検討し、それを周知することで属人化の解消に向かうことができました。

会計業務のDXとは何か。

DXとは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されています。

この定義に基づけば、会計業務のDXとは、ペーパーレス、属人化の排除だけではなく、「完全リモートワークによる品質の高い会計業務」への変革ではないかと考えます。

今後、ニューノーマルな働き方に対応するためには、会計システムも、以下のような変革を行うことが必要と考えます。
・ペーパーレス、業務の標準化による「アナログ」から「デジタル」へ(電子ワークフロー化、データ利活用による多重入力廃止)
・企業間、銀行、公的機関サービスとの連携による会社の垣根を超えたプロセスの自動化(WebAPIを活用した自動化による品質の向上及び作業削減)
・リモートワークでも、オフィス時の同様の生産性を維持できる仕組み(リモートアクセスできる環境。チャット機能によるコミュニケーション。「見える化」による作業状況の把握)

そして将来的には、デジタル化された取引、会計データを「AI」によって利活用し、地域別、事業別、製品別、仕入先別、得意先別に高速分析がなされ、事業変革のスピードに寄与していくこととなるでしょう。

今、私が考えるSIerの使命

これまでの会計システムは、自社業務を効率化すべく、スクラッチ開発で構築、もしくはERPパッケージに対して多くのカスタマイズを行ってきました。
しかしながら今後はITの変化・業務の変化・制度の変化が怒涛のように押し寄せるなか、これまでの自社業務に合わせ続けた難解なプログラムと向き合うのではなく、変化に追随するクラウドサービスを活用し、それを自身の業務と「柔軟」に、素早く融合させることが必要です。
これを踏まえると、SIerはお客様にそのようなサービスの目利きや、業務とサービスの融合といった導入スキームを提供することが求められているのだと私は考えます。

目の前の「DX」、将来の「DX」に向けて私たちSIerができることは何か?
それは、
「お客様が実現したい業務の変革を、同じ目標、同じ目線で考え、実現すること」だと思います。

著者プロフィール

氏木 圭一

法人事業本部 ビジネスソリューション第2部 グループ長

会計領域におけるERPのコンサルティング、導入、運用保守までアプリケーションスペシャリスト、プロジェクトマネージャとして携わってきました。
現在は、ERPを核としたクラウドインテグレーションに注力しており、お客様の「実現したいこと」を叶えるトータルソリューションをご提案、ご支援しております。


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