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COLUMN

BPO

AI-OCR

チップ単位でセキュアに精度を比較!

田口 裕太

2021.08.06

昨今、情報漏洩事故が幾度となくニュースに取り上げられる中で、個人情報、顧客情報をクラウドに保存することを禁止している企業もあります。
しかしクラウドファーストの時代に、この低コストのサービスを利用しない手はありません。
そこで当社では後述する手法を用いてセキュアにクラウドを利用することにしました。
今回はその手法をご紹介したいと思います。

クラウド利用でも帳票を安全かつ高精度にOCR処理するために

当社ではクラウド上のOCRエンジンで処理する前段階でイメージからデータ化したい部分のみ切り出し、小さなイメージファイルに分解しています。我々はこれを「チップ」と呼んでいます。

処理は二段階で対応します。

・ステップ1
チップをA社製AI-OCR、B社製AI-OCRでそれぞれOCR処理したものと、エントリー会社が打鍵入力したデータをデータベースに記録します。
当社開発のソフトウェアでは左に画像イメージが、右に上記の結果が横一列に並んで表示されます。そして結果に違いがある場合には正しいものを「選択」します。全てが誤りであった場合は、手入力で「修正」します。

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・ステップ2
ステップ1とは別の担当者が「承認」作業を行います。
「修正」となっている箇所を再度確認し、問題なければ「承認」ボタンを押します。
【例:元の画像(スキャンした画像)】

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【例:承認結果イメージ】

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このように二名の担当者が確認することで、「選択」または「修正」が正しいことを確認しています。

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確立した手法にプラスアルファ!

上記の通り、当社独自の手法を確立したわけですが、ここでひとつ問題が発覚しました。
エントリー会社にヒアリングしたところ、打鍵入力する場合には「チップ」単位のエントリーは非効率だったことがわかりました。
そこで対応策として考案したのが「ワイドマスキング」方式です。これは主に個人情報に当たる部分を全て真っ黒に塗りつぶすというものです。

大まかな流れ
1、当社からマスキングしたイメージをエントリー会社に連携
2、エントリー会社ではマスキングされたイメージを元に打鍵入力・データ化し、当社に返却
3、当社でデータ受領後、データを各チップに相当するデータに分解
4、前述のステップ1へ続く

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セキュリティを意識する当社としては「出来ることは何でもやる」というポリシーです。

もとより我々はお客様の業務を代行することが生業で、OCR することが全てではありません。AI-OCRで100%に近い結果を出し、後続のステップ(人によるチェック)で100%にして、お客様の求める業務を完遂することがミッションです。

一連の流れがどうしたら正確かつスピーディーにこなせるかを常に考え、日々サービスの改善、バージョンアップを重ね、お客様へ提供しています。

著者プロフィール

田口 裕太

業務ソリューション事業本部 イノベーション推進部

データエントリー会社に勤務後、さくら情報システムに入社しました。
エントリー業務の効率化を目的としたシステム開発経験を元にAI-OCR活用に注力しています。複数社のサービス検証を経て、それぞれの利点を生かしたシステム連携を実現しましたが、さらなる精度向上を求めて日々研究を重ねています。

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