MENU

 

COLUMN

  • さくら情報システム
  • コラム
  • いよいよ従業員向けの「住民税 特別徴収税額通知書」も電子配付可能に!電子化の仕組みや企業に求められる対応は?

人事コラム

人事DX

人事課題

最新動向

法改正

いよいよ従業員向けの「住民税 特別徴収税額通知書」も電子配付可能に!電子化の仕組みや企業に求められる対応は?

下里 祐司

2023.10.10

6月の特別徴収税額通知書(住民税決定通知書)の配付と、10~12月の年末調整業務は、人事部門の皆様の手を煩わす2大イベントではないでしょうか。
コロナの流行で在宅勤務という働き方もでてきたなか、紙での配付しか選択肢のなかった特別徴収税額通知書の配付は、郵送せざるを得なく、封入封緘の手間や郵送料などのコストアップなど、皆様の頭を悩ませていたことと思います。
そんな住民税の特別徴収税額通知書ですが、いよいよ令和6年より電子的手段での配付が可能となりました。
本コラムでは電子化の仕組みや企業に求められる対応について触れていきたいと思います。

関連情報

▼各種サービス
年末調整をもっと楽に、ずっと簡単に。 「年末調整Web申告」     詳細
いつでも、どこでも照会可能に!    「HRA給与明細照会サービス」 詳細

このコラムの内容
特別徴収税額通知書の現状
令和6年の変更点の確認
電子化の仕組み
企業に求められる対応
効率化に向けて
おわりに


特別徴収税額通知書の現状

住民税の特別徴収税額通知書には特別徴収義務者用(会社用)と納税義務者用(従業員用)の2種類が存在することは既にご存じのことと思います。
会社用の特別徴収税額通知書は既に電子化が進んでおり、eLTAXでの届出の義務化も進展してきました。
一方で従業員用の特別徴収税額通知書は紙での受領と配付しか手段がなく、また各市区町村で紙の形状が異なっていることもあり、配付や仕分けの手間が皆様の頭を悩ませる原因になっていたことでしょう。


令和6年の変更点の確認

このように作業負担の大きい住民税の特別徴収税額通知書ですが、令和6年より会社用、従業員用共に法改正による変更が発生します。具体的な変更内容は下記の通りです。

 <会社用の変更点>
 これまで会社用の特別徴収税額通知書は「データのみ」「紙のみ」「紙とデータ両方」の3つの手段で受領することが可能でしたが、令和6年からは「紙とデータ両方」の受領手段は選択できなくなります。

 <従業員用の変更点>
 前述の通り現状は「紙のみ」での受領と配付の手段しかなかった従業員用の特別徴収税額通知書が令和6年から「データ」での配付が可能となります。

cl-000-174_001.jpg


電子化の仕組み

現在公開されている従業員向けの通知書の電子化の仕組みを確認してみましょう。
1、特別徴収税額通知書はPDF化される。
2、上記1のPDFは暗号化されたZIPファイルとなる。
3、暗号化されたZIPファイルを解凍するパスワードは、別のPDFに記載されたURLからパスワード確認サイトにアクセスし確認する。
上記のように従業員1人1人に対して、「税額通知書のPDFが暗号化されたZIPファイル」と、「そのZIPファイルを解凍するパスワード確認用のURLが記載されたPDF」の2つがセットで作成されます。
この2つのファイルはeLTAXで企業がダウンロードを行い、電子的手段を用いて企業から従業員へ配付することになります。

cl-000-174_002.jpg


企業に求められる対応

前述した通り、電子化された特別徴収税額通知書は「電子的手段を用いて」従業員へ配付する必要があります。
しかし、eLTAXの特設サイトに掲載されているリーフレット(※)にも書かれているように「社内システムやメールでの配付が考えられます」と具体的な配付手段は定義されていません。
これまでの年末調整に関わる控除申告書の電子化や給与明細の電子的通知などの規制緩和の際と同様に、各企業にてミスなくセキュアな電子的な配付手段を検討・準備する必要があります。


効率化に向けて

これまでにご説明した通り、上手に活用できれば紙での配付に比べて大幅に手間・コストを削減できる可能性があります。
しかし、各企業で独自に、ミスなくセキュアな電子的配付手段を準備することは難しいと思います。
今後、各システムベンダーより特別徴収税額通知書の電子配付が可能なシステム・サービスの準備が進んでいくと思われます。
電子化の際には、そのような専用システム・サービスのご活用をお勧めします。

尚、さくら情報システムでは、既に多くの企業にご利用いただいている「年末調整Web申告サービス」「HRA給与明細照会サービス」に加える形で、「特別徴収税額通知書 電子配付サービス(仮称)」の令和6年リリースを計画しております。
人事給与DXをお手軽に推進するこれらのサービスを併せてご活用いただくことで、人事部門だけでなく、従業員の利便性の向上や手間の解消を大いに期待できます。
人事部門では、年間の2大イベントである年末調整と税額通知書の配付が大きく効率化されると共に、給与・賞与明細と源泉徴収票の通知からも解放され、従業員は、一つのログインIDとパスワードでこの3つのサービスが利用可能となります。


おわりに

電子化の準備と考えると少し億劫に感じるかもしれませんが、人事給与DXの第一歩と捉えていただくと、取り掛かりやすく、導入の手間もかからないこれらのサービスの活用が適していると思います。
既にDXを進めている企業様におかれては、今回の改正を機に継続的なDX施策として取入れるのはいかがでしょうか。

(※) https://www.eltax.lta.go.jp/news/08036/②_受取方法変更のお知らせリーフレット_20230831.pdf
  注:外部サイトが開きます

最終更新日:2023.10.18

著者プロフィール

下里 祐司

人事ソリューション事業本部 営業部 部長

システムエンジニアとしてIT技術をバックボーンに、人事部での勤務経験や社会保険労務士の知識を活かした人事給与業務の業務改善、効率化、システム化を多数実施してきました。
幅広い知見をもとに、 人事給与、社会保険、ITと複数の視点で業務改善からシステム導入、運用構築までをご提案します。



※ 所属部署・役職は掲載時点(2023年10月)のものです

この記事をシェアする

比較検討や社内説明に役立つ
資料をご用意しております。

導入前のご質問・ご相談など、
お気軽にお問い合わせください。